福島で「復興再生協議会」に出席
2024年02月18日
福島市で開催された「第28回原子力災害からの福島復興再生協議会」への出席のため、18日朝8時8分東京駅発「やまびこ127号」で福島駅に向かいました。
同協議会は、原子力災害に関して地元から要望を聴き、それに国が応えるという意見交換会で毎年2回開かれています。福島側からは内堀福島県知事や自治体の首長さんの代表、JAなど団体の代表の方々11人が出席され、政府からは復興大臣、経済産業大臣、環境大臣、そして農林水産大臣である私、さらに官房副長官や副大臣、政務官、復興庁の事務次官らが顔を揃えました。法律で定められた法定協議会です。
【大震災から13年、まだまだ爪痕が残る】
内堀福島県知事からは「土壌汚染」や「帰還できない住民の方々の苦労」「将来に対する財政的な不安」など全体的な問題点が報告されました。東日本大震災から間もなく13年が経過しますが、まだまだ復興への道のりは遠いようです。
私は農林水産関係の要望に応える立場です。JA福島中央会から➊担い手が少なくなっている。超スマート農業に対する手厚い支援をお願いしたい➋飼料稲などの収穫で農業機械の耐久性に無理がある。現在の農業機械に対しての補助率を引き上げて欲しい➌令和7年度までの予算措置は保証されているが、令和8年度からの財政支援が不透明なのでよろしくお願いしたい、などの要望が出されました。
【各省との連携を取り全力で支援する】
私からは➀担い手の減少は農林漁業全てにわたる深刻な問題である。超省力化を進める必要があるので部門横断的な研究開発を推進していく➁農業機械については生産拡大や生産に必要な機械等のリース導入を図っていく➂令和8年度以降の予算措置については政府全体の問題でもあるので各省庁とともに検討していく、と答えました。
【造船所の火災による漁業への影響も】
また、16日未明に相馬市で造船所が火災を起こし、ドックが使用不能になったことに関して、地元の相馬市長から「年間に5隻を造船し、100隻の修理を行っていた。漁業に大変な支障が出る。国で何とかしていただきたい。」という要望も出ました。私からは、地元の造船所が造船や修理をしていたことを前提に今後の復興事業計画が作られていたが、火災により使用不能となれば変更の必要が出て来る。現地の声を伺いながら水産庁で検討する、と答えました。
【漁業者からは別途要望を聴く】
協議会に入る前、漁業者とは午前中に別の会場で意見交換をしました。福島県漁連の会長、相馬双葉漁協、いわき市漁協の両組合長と話し合いました。ここでもやはり担い手が課題として取り上げられました。「このままでは漁業が衰退でなく消滅する」という深刻な悩みを組合長は言われました。福利厚生や休日の設定などが必要という事でしたが、自然や漁期を相手とするだけに、サラリーマンと同様にとはいきません。それでも相馬双葉漁協では100人ほどの担い手が出来た、との報告もあり各漁協で様々な工夫も必要なようです。
【深刻さは続くが少しずつ進展も】
今回の協議会で原子力災害の大きさ、深刻さを改めて感じました。原子力発電所の必要性の有無は別にして、一旦事故が起きれば、その影響は地域のあらゆるところに及びそれに費やすエネルギーも膨大なものになる事を改めて感じました。一つ一つ地域と被災者に寄り添って、たとえ時間がかかろうとも国と東電の責任のもと、元の生活に戻る日まで尽力していかなくてはならないことを肝に銘じました。深刻な問題ばかりですが、一方で営農再開などの報告も聞かれ少しずつ進展もあるようです。全力を尽くします。
【写真は「原子力災害からの復興再生協議会」で挨拶する私】