養蜂議員連盟の会長に就任
2023年09月06日
6日(水)午後3時半から参議院議員会館で「自民党養蜂議員連盟」が開催され、不詳私が森山裕先生の後任として会長に選出されました。責任の重さを感じます。
ハチミツを採取したり、施設園芸農家の果樹への受粉にミツバチを有料で提供して生計を立てているのが養蜂農家です。全国でプロの養蜂農家、趣味の養蜂家合わせて約13,000戸がミツバチを飼育しています。
【スタートは熊本県の会長】
私は熊本県議会議員の時、阿蘇郡選出の県議会議員で熊本県養蜂組合の会長だった故山本靖(やまもとやすし)先生からバトンを受けて、熊本県の会長を仰せつかりました。30年近く前になります。会長の仕事としては、街路樹などに出来るだけハチミツが採取できる花木を植えることを県に申し入れたり、レンゲ畑や菜の花畑を増やす運動しました。また外来植物のセイタカアワダチソウはミツバチの貴重な越冬蜜源ですので、河川敷のセイタカアワダチソウをむやみに切らない様にも呼びかけました。
その結果、熊本県はハチミツの生産量において北海道に次ぐ全国第2位に躍進し「蜂蜜県」になりました。
【養蜂振興法の改正を実現】
国会議員になっても養蜂農家の方々には深い思い入れがあり、政策と予算面で応援して来ました。平成24年には養蜂振興法の改正作業を行うためのプロジェクトチームの座長も務めさせていただき、昭和30年の養蜂振興法創設以来の改正を実現させました。法律改正の目的はプロの養蜂農家に加え趣味の養蜂家が年々増加したために、ミツバチを飼育する全ての人たちに登録をさせる事でした。そのことで健全なミツバチの飼育を普及させミツバチの法定伝染病である「フソ病」などを発生させないようにしました。
そのような活動があり、これまで国会議員の養蜂議員連盟の副会長を務めていました。
【プロの農家から厳しい意見】
しかし、この度森山会長が日本養蜂組合の会長に就任されたために、議連の会長が空席になり私が選出という事になりました。この日はまず人事案件を審議し、森山会長から私へのバトンタッチがスムーズに出来ました。そして審議に移りましたが、プロの養蜂農家から厳しい意見が続出し審議自体は重たい雰囲気になりました。
【追いつめられるプロの養蜂農家】
それは、先の養蜂振興法の改正で全てのミツバチ飼育者を登録制にしたために、趣味の養蜂家がプロと同じ行動をとるようになり、ハチミツの採取箱を置く場所でトラブルが絶えないようになったためです。片や生活のための養蜂でミツバチの種類は蜜を集める力が強い西洋ミツバチ、もう一方の趣味の方々は大人しい日本ミツバチです。そして、プロの方々がハチの巣箱を置いているとすぐ隣などにアマチュアの方々が巣箱を置く、そのためにトラブルが絶えない、しかも数的には趣味の養蜂家がプロよりはるかに多いため、年々プロは追い詰められている、というのが現状です。
【物流改革でミツバチが死ぬ】
またプロの養蜂農家は季節に応じて日本列島を移動して蜜を集めます。「転飼」と言います。冬は沖縄、暑くなると青森や北海道に転飼します。しかし来年度2024年度から物流改革でトラックの運転手の長時間労働が禁止されます。その分移動に時間がかかりますが、移動中の温度が50度近くになるとミツバチがほぼ全部死んでしまします。現在様々な実験が行われていますが、妙案はまだ見つかりません。商売道具が全滅する訳ですから農家にとっては大打撃です。
【緊急の課題ばかり】
これらの課題をこれから改善していかなくてはなりません。もう一度養蜂振興法の改正をするか、運用を厳しくして各都道府県で巣箱の配置の調整を厳しくするかなど、様々な事を考えなくてはなりません。直ちに実現していかなくてはならない問題ばかりです。責任重大です。
【会長としての決意】
県議会の時からの養蜂農家との付き合いをして来ましたので、プロの農家が安心して養蜂業を営むことが出来、所得が向上するよう今後も務めて参ります。この日は厳しい農家の意見に耳を傾けながら会長としての決意を新たにしたところです。
【写真は養蜂振興議員連盟で会長として挨拶をする私】