消防団員の増員対策・操法大会をどうする
2023年08月03日
自民党消防議員連盟では、消防団確保のためのプロジェクトチームをつくり様々な対策を考えています。私はその幹事長を仰せつかっています。このため、7月29日地元菊池市、合志市、菊陽町、大津町の2市2町防団幹部の方々に集まっていただき、どのような対策を取っていけばいいかの意見交換会を、地元大津町役場の会議室をお借りして行いました。
既に各町村の消防団ともアンケートを取っていただいており様々な意見が出ていました。その中で最も意見が活発だったのは「消防操法大会」の在り方についてでした。
【多くの時間が取られ消防団入団の壁になっている】
操法大会は全国大会が2年に1回、秋に東京で開催されます。そのために各市町村で予選があり、その後、県の予選があり各都道府県の代表が全国大会に出場します。予選から全国大会までの期間が3〜4か月あります。そのために市町村大会を勝ち抜くために7月前後の暑い中、夜に各小中学校のグラウンドなどで練習が2か月ほど続きます。問題視されるのはその練習期間が長く、仕事や家庭に支障を来たすことと、大会内容が本当に消火作業に役に立つものか、という点がいつも論議の対象になります。
【アンケートの回答】
消防団員の中から出てきた意見も様々なものがありました。➊確実な消火活動が目的であるので点数を争う競争の大会である必要はないのではないか➋果たして全国大会まで必要なのか、技術の練度を高める事にはつながるが、先鋭化して、全体のすそ野を広げることになっていないのではないか➌スピード性が採点で重視され本当に技術の向上に繋がっているのか➍団員数が少ない地域にとっては開催の頻度が多く負担感が強い、など操法大会への改善もしくは開催要領の緩和が目立ちました。
【なかなか厳しい団員増】
一方で操法大会での常勝消防団もあります。このような消防団は操法大会への出場と上位入賞が消防団の結束と誇りに繋がっている、という見方もあります。
しかし、全体的に見ると若手の気持ちはあまり厳しい規律と訓練にはついていけない、という気持ちの様です。社会的にも、人口減少が続き地域社会の中での若者の役割の拡大し、消防活動が重荷になっていることや農業者が少なく会社勤めの若者にとって、出来るだけ会社以外で縛られたくないという肌感覚もあるように感じます。
しかし、消防団組織は日本が世界に誇るボランティア組織であり、消火活動だけでなく一般的な防災や事件・事故の際にも出動していただく貴重な組織でもあります。
本格的に持続可能で誰もが入団したくなる消防団にするためにどうしたらいいのか、考えていかなくてはならない時代になっています。自民党消防議連のPTで更に論議を重ねていきます。難しい問題です。
【写真は消防操法の訓練の様子】