全国農業委員会会長大会
2023年05月31日
「全国農業委員会会長大会」が30日、東京都文京区の文京シビックホールで開かれ、農業委員会等に関する議員懇話会の会長として参加者約2000人を前に挨拶をさせていただきました。
農業委員会の会長さんと事務局の方々が出席され、熊本県だけでも約80人が参加されました。農業委員会は、昭和26年につくられた「農業委員会法」に基づき、各市町村に設置が義務付けられているもので、農地を守るために、農業委員が常日頃の監視や農地の売買、農地転用の際の審査、審議を行います。主に審議をする「農業委員」と現場を回り農地の実態を調査する「農地利用最適化推進委員」で構成されます。
戦前の庄屋を中心とする大規模農地所有で小作農が大半だった状況から、アメリカによる農地解放で自作農中心になったことに伴い、農地の不必要な転売を防ぐために「農地法」を基に農地のあるべき姿を審議していきます。
【農業者減少、耕作放棄地増加】
しかし、農業の担い手が少なくなり、特に中山間地では耕作放棄地が増加しているため農業委員会の委員の皆様も大変苦慮されています。そのために昨年「農業経営基盤強化促進法」という法律が改正され、将来に向け永続的な農地の図をつくり、そこに担い手を張り付け、農業と農地の「目標地図」を作成し、それを「地域計画」として法的に確立させるという事になりました。
その施行が今年の4月からです。令和7年までにつくり上げなくてはなりません。そのため農業委員の皆さんは片手にタブレットを持ち農地を検証しながら、農家の方々に聞き取りをして、後継者がいるのかどうか、あとどのくらい農業が出来るのかなどを聴きながら将来に向けた目標地図をつくらなくてはなりません。大変な作業です。
【挨拶で5点を強調】
自民党を代表して挨拶をさせていただきましたので、次の5点を述べさせていただきました。
➊「地域計画」の作成には大変ご苦労をかけるが、予算や人材が足りない時は遠慮なく私たちに要求して欲しい。自民党として最善を尽くす。
➋「営農型太陽光発電に関するプロジェクトチーム」の座長もしているが、太陽光パネルの下で健全な農業が行われていないことが分かった。法的に厳しく規制していくので、審査等でご苦労をおかけすると思うがよろしくお願いする。
➌「農業委員」と「農地利用最適化推進委員」の2階建てになっているが、この効率運営を今後考えていく。
➍農業委員の皆さんの報酬があまりにも低すぎる。引き上げに努める。
➎小学生たちに農業や農地の大切さを教えるために地元教育委員会と連携して小学校の教壇に立って将来のためにしっかりと教えていただきたい。
といったことを訴えました。
【熊本の農業委員さんとは夕方から】
夕方からは東京駅の近くの会議室で、農業委員会会長さんと県選出国会議員との意見交換会があり、熊本県の農業委員さん達から別途要請を受け取りました。他にも「タブレットが足りない」「中山間地は県の支援がないとなかなか難しい」「農地の相続が義務化されるが登記料が高くて義務が意味をなさない」などの具体的な意見を聴く事が出来ました。
やはり大きな会合での挨拶だけでなく、具体的に問題点を聴いて回る小さな意見交換が大切であることを実感しました。
【写真は農業委員会会長大会の会場と挨拶する私】