農業委員会の役割
2023年05月23日
私が会長を務める「農業委員会等に関する議員懇話会」を23日午前8時から自民党本部で開きました。同懇話会は全国各市町村に設けられている農業委員会を応援するための議員の集まりです。
【農業委員会の仕組み】
農業委員会は「農業委員」と「農地利用最適化推進委員」で構成されています。農地利用最適化推進委員が農地の活用状況を現場で常に調査し、最終的に農地としての適格性や農地転用などについて農業委員と一緒になって決定するという仕組みです。
近年、遊休農地や耕作放棄地が増加し、一方で都市近郊を中心に農地転用の申請が増えています。農業の担い手が減少しているため農地が年々荒れているというのが現実です。その現実と向き合いながら農業委員会は、いかに国民の財産である日本の農地を守り、活用するかについて活動し知恵を絞っています。その根拠法は農業委員会法という法律です。
【将来の農地活用と農業者を決める】
昨年「農業経営基盤強化促進法」という法律が改正され、各市町村が将来を見据え、農地の1筆ごとの利用を明示し、そこにどのような担い手、農業経営体を張り付けるかの将来の地図を描き、それを「地域計画」として位置づけなくてはならないという事になりました。その中心的な作業をしていくのが各市町村の農業委員会です。今年の4月に施行され、令和7年までに作成し、その地域計画に沿って、これからの各地の農業を展開して行くことになります。
【地域の実態報告】
この日は、山梨県市川三郷町農業委員会と熊本県天草市農業委員会の会長に出席いただき「地域計画」の進捗状況を報告していただきました。
全ての農地を点検して所有者と話し合い、そして将来の耕作者を当てはめていくという事は膨大な作業です。
「とにかく人が足りない」「予算が欲しい」「デジタル化を進めなくては令和7年までに難しい」など様々な意見が出ました。農地は耕作放棄地が増えるとともに、担い手や農業に従事する人たちは減少していく一方です。特に中山間地域は耕作地としても厳しい環境にあり、人口は減少の一途で、今後どのようにしていくか全国的に深刻な課題になっています。
【国土保全と農業振興の最前線】
しかし、それらを一つ一つ農地として、また農地以外の土地として活用方法を考えて行かなくては、日本の国土は荒れ放題になります。
山村が荒廃すれば、災害の発生や鳥獣被害、疫病、感染症の原因にもなります。日本の国土を隅々まで利用できる状態にしておくことは、将来に向けての私たちの責務です。
農業委員会の仕事は国家、国土保全にとって、それほど重要な仕事と言えます。
【写真は農業委員会等に関する懇話会に出席された農業委員会の会長ら】