中山間地「田小野地区」の収穫祭

2022年12月19日

 
 17日(土)、上益城郡山都町にある「田小野地区」の収穫祭に招かれました。同地区は農事組合として集落営農法人で水田耕作を行っている、40戸ほどの集落です。収穫祭といっても派手にお祭りをやるのではなく、公民館に集まって今年のコメの収穫状況を報告し来年に向けての計画などを発表するという、極めてシンプルで真面目なお祭りです。

 正午前、公民館に着くと既に40人ほどの方々が集まって今年のコメの収量などの報告があっていました。そして食味でおいしいコメを生産した農家に表彰状が送られていました。その後、女性部が炊いてつくった新米のおにぎりと漬物、豚汁をみんなで食べました。美味いの一言です。
後で聞くと1部が収穫の報告と表彰、食味会、2部が私と町長の講演、3部が焼肉会、という事でした。

 2部で、町長がまず挨拶され町の今年1年の活動や反省、来年に向けての抱負などを語ってもらいました。
私は前日に防衛予算の5年後43兆円の財源確保の論戦が自民党税調で展開されたばかりでしたので、賛否の意見の内容などホットなところを話しました。山都町には九州で2番目の広さを持つ「大矢野原演習場」という自衛隊演習場があり、自衛隊の訓練や日米合同演習が行われています。もちろん宿泊施設や訓練施設もあります。周囲の道路や水路も防衛施設予算で整備されています。このため地元にとっても、今後、演習場がどの様に活用されていき、それに伴い整備されていくか、関心ある問題です。
 そして今年一年を振り返り、ロシアのウクライナ侵攻が与えた世界への影響、それによって私たち日本も防衛の安全保障だけでなく経済安全保障、食料の安全保障の確保が求められることに気付かされた事。一方で、コロナの影響もあり少子化が急速に進んでおり、こちらも国の存亡に関わる大問題で今後の財源を確保するのと同時に、地方に女性が帰ってくる、あるいは、残るような魅力ある地方にしなければ、増々地方、とりわけ中山間地の子どもたちは減少していき、いずれ消滅の危機を迎える事などを話しました。山都町の今年の出生数は53人でした。深刻です。
 また、熊本に台湾の世界的半導体メーカー「TSMC」が進出することで、関連企業などの誘致をいかに各市町村が進めるかも大切な事であることなども強調しました。

 2部の後は楽しい焼肉会です。その前に、焼き肉会場の前に「大きなからいも」「大きな白菜」「大きなカボチャ」が並べられており、手に抱えて、重さを当てる競争も行われました。私も作物を抱えながら重さを感じ取り、紙に私の名前と重さを書いて投稿しました。

 焼肉会は雨のため農業用倉庫で行われました。東京で食べれば相当高価な和牛肉がたっぷりと用意され、野菜なども皆さんが生産された新鮮なものばかりでした。お酒は竹で燗をつけた「カッポ酒」。各焼肉テーブルを回りながら良い気色になりました。夜に隣町の幹部との忘年会が待ってましたので途中で退席しましたが、収穫の報告や意見交換、野菜の重さ当て、そして焼肉会での団らん、と一つの集落の素朴で楽しい家族的な催しである収穫祭に農山村部の良さをしみじみと感じました。

 野菜の重さ当ては残念ながら、いずれも実際より軽く書いており、大きく外れていました。来年はもっと腕を磨きます。

写真は田小野地区収穫祭、焼き肉の部