井戸のお祓い「埋井祭」(まいせいさい)の重要さに気づく
2022年11月29日
熊本の実家の裏の農地を処分することにしました。農地に井戸がありましたので、開発会社から「井戸もつぶすのでお祓いをしてもらったがよい」と言われ、神職の方にお願いしてお祓いをしてもらうことにしました。
簡単に考え、お祓いの時に使う三方(さんぽう)に少しばかり、野菜と果物、お酒を用意しました。しかし神主の方から「そのような事ではいけない。お供え物は決まってる。そして厳かに行わなくてはならない」と言われ改めて、お供え物、祭壇などが準備されました。
ものの本によると井戸は貴重な水を供給し続けてきたもので、井戸を埋める際には感謝の気持ちを十分に表さなくてはならない。そのための儀式は必要だ。しかも地中で黄泉の国と繋がっているため、おろそかに扱えば死者の霊が現れるとも言われ、厳粛に「埋井祭」をやることが神道の中に明記されているという事でした。
私の実家の裏の井戸も、小さい頃は近くの方々が水を汲みに来て、担いで行かれていました。地域が求める大切な水源だったことを思い出しました。
「埋井祭」は厳粛に神主さんの言われるとおりに催行しました。神道の言い伝えとは言え、やはり、ないがしろには出来ません。宗教や習わし、とりわけ死者や生きる糧に関するものは大切なものです。
この後、農地転用を願い出て、宅地として整備される予定です。何事もなく、無事に工事が進み、皆さんが平穏に暮らせる地域になる事を願うのみです。
【写真は実家の井戸の「埋井祭」で祝詞を読み上げる神主さん】