全世代型社会保障の論議スタート

2022年11月02日


 1日(火)午後5時から自民党本部で「全世代型社会保障に関する特命委員会」(田村憲久委員長)の第1回会合が開かれました。政府ではすでに総理を本部長とする「全世代型社会保障構築会議」が設置され、有識者を中心に➀少子化対策➁男女が希望どおり働ける社会づくり・子育て支援➂勤労者皆保険の実現と女性の就労の制約となっている制度の見直し➃家庭における介護の負担軽減➄孤独・孤立や生活困窮の人々が繋がりを持てる「地域共生社会」づくり➅医療・介護・福祉サービス改革についてなどをテーマにあらゆる世代に対してどのような社会保障制度をつくり上げていけばいいのか議論を重ねています。

 自民党でも今回、財源問題も含めて、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年や高齢化社会がピークを迎える2040年以降に向けての社会保障の制度設計をするためにスタートさせたものです。社会保障を専門としている議員が集まりましたが、私も少子化対策担当大臣、孤独・孤立対策担当大臣経験者として、副委員長という立場で参加しました。

 この日は役所から様々なデータが示されました。出生数の減少が想定より7年前倒しで進んでいること。子ども・子育てについて、子育てと仕事の両立が難しい現状、医療・介護では後期高齢者の増加で現役世代に大きな負担をかける結果になりつつあること、介護や認知症について核となる「地域包括支援センター」の機能強化が進んでいないことなどが報告され、今後の課題や改善すべき点、財源問題など、あらゆる分野での問題提起がなされました。

 配布資料の人口の見通しによると、2022年の日本の人口は1億2544万人で前年より63万人減っています。うち生産年齢人口は7449万人、高齢者人口は3622万人です。
これが2040年になると、人口1億1092万人まで減少します。生産年齢人口は6000万人を切ります。一方、高齢者人口は3935万人に増えます。
2025年の認知症数は675万人ですが、2040年は802万人です。介護職員の必要数は2025年243万人から2040年は280万人必要です。
単身高齢世帯は2025年が751万世帯で2040年は896万世帯になります。
昨年の出生者数は81万人この後60万人台の後半まで減少していきます。

 データを見ると恐ろしい数字が迫ってきますがこれが現実です。まさに少子化と高齢化が一直線で進みます。その中での医療保険や年金制度の改善は急務です。2040年まであと18年しかありません。

 このような中で、これから世代間の感情的対立を招かない制度をどのようにつくり出していくか。サラリーマンや自営業、フリーランスの方々の極端な格差をなくすための制度づくり、そして少子化への対応策、そのための財源の捻出など数え上げたら気が遠くなりそうな課題の連続です。

 この日はざまざまな意見がフリートーキングで出されました。まずはキックオフですので多方面からの意見が出ましたが、今後はこれをテーマ別に集約していかなくてはなりません。膨大な作業が続きます。

 それでもこれからの日本にとって最も大切なこと、知恵を絞り、全力をかけて取り組みます。

【写真は冒頭にあいさつされる田村憲久委員長】