しいたけの原産地表示を厳格に

2022年02月16日

 「しいたけ等特用林産振興議員連盟」(会長:中曽根弘文参議院議員)の総会が、16日午前8時から自民党本部で開かれました。今回から私が事務局長を仰せつかりましたので、司会進行を務めました。総会には各生産地の国会議員、そして、東日本のしいたけ生産者団体の皆さんが出席されました。

 しいたけの生産はホダ木に菌を接種する「原木しいたけ」と木を粉にしたおが粉に菌を接種する「菌床しいたけ」があります。どちらも森林・林業と表裏の関係ですので管轄は林野庁です。

 原木しいたけ・菌床しいたけのいずれも、日本の各地で産地が形成されています。食材としての歴史も古く、しいたけを活用した料理は数多く、国民的食材と言っても過言ではありません。

 しかし近年、「菌床」が中国をはじめとした海外から大量に輸入され、この輸入菌床から発生したしいたけが「国産」として売られています。既に国産しいたけ生産量の10パーセント以上を占めるようになりました。

 これは、先の熊本のアサリのように「産地偽装」ではなく、「国産」の表示基準が曖昧なためです。
 輸入の工程は次のように行われます。海外(特に中国)でおが粉に水分と栄養剤を注入し、しいたけ種菌を接種し、固形にして完熟させて日本に輸送します。そして日本で刺激を与えればすぐにしいたけが顔を出し見る見るうちに大きくなる、という事です。この間90日から120日。それが国産として、〇〇県産として販売されているという事でした。

 原木の伐採からおが粉への加工、そして種菌の接種、更に固形化して完熟までさせる、という工程がすべて外国で行われているにもかかわらず、送られてきた県で顔を出したしいたけが、当該県産として表示されていることがおかしい、という意見がこの日も数多く出されました。

 林野庁と消費者庁は本日の議論を踏まえ表示ルールを見直していく、と答えました。今後、菌を埋め込まれた地域の国名や場所を表示すること、国産や〇〇県産という誤解を消費者に与えないような表示にしていくことを検討することにしました。

 一刻も早く表示方法を厳格にして、消費者にしいたけの生産履歴が分かるようにして、安心して食べられるようにしたいものです。
 しいたけは自然食品で森の恵みでもあり、様々な料理として私たちに古くから親しまれて来ただけに、今後は子どもたちの消費も増え更に生産が活発になるようにしていかなくてはならないと責任の重さを痛感しました。