今後のエンジニア育成は高専から

2022年01月27日

 27日(木)、文部科学部会の下に設けられている「高等専門学校小委員会」が開かれました。以前、私が委員長を務めていましたが、大臣就任でその席を離れていました。今回から再び委員長を仰せつかることになりました。

 高専は中学校を卒業して入学する5年制のエンジニア養成教育機関です。戦後、今後の日本の科学技術発展のために、実践的で創造的人材を育てる目的で昭和36年にスタートしました。現在では国立高専を中心に国公私立57校の高専が設立されています。その中には商船高専(5校・航海実習を含め5年6か月)もあります。5年の教育を終えると就職や大学への編入、専門課程への進学などいろいろな選択肢があります。現在、日本の工業界にとって人材の供給機関としてなくてはならない存在です。

 今回は、先日のJAXA(宇宙航空研究開発機構)ロケット「イプシロン」で超小型衛星「KOSEN-1」の打ち上げに成功した、高知高専の先生と生徒にオンラインで参加してもらい、超小型衛星打ち上げ成功に至るまでの取り組みについてプレゼンをしていただきました。他の高専10校と連携しながら設計から製作をしたそうで、成功後の通信状況までの話を聞きました。
 生徒の方は3年生ということでしたが、すでに立派なエンジニアでした。

 その後、国立高専機構の谷口理事長からの現在の高専についての状況を報告してもらいました。来年度は高専創立60周年に当たるため、今年10月から11月にかけて、講演会やイベントを予定しているそうです。

 デジタル社会、ITやAIの技術進化で社会が大きく変わる節目の時代に、60年の歴史を経て改めて、高専の教育機関としての重要性が増しています。途上国でも日本の高専のカリキュラムそのものを輸入するところが増え、現在モンゴル、ベトナム、タイに「KOSEN」があり科学技術の人材育成に努めています。国際貢献も果たしているのです。

 今後、予算の確保に向けて、また海外からの留学生受け入れに対して、そして新たな分野における人材養成に対して充実させていかなくてはなりません。
 「高専小委員会」での活動は委員長としてやりがいのある仕事です。