阿蘇、世界文化遺産へ大臣に知事らと陳情
2022年01月20日
20日(木)午後1時10分から15分間、蒲島熊本県知事、阿蘇郡市の1市6町村長と阿蘇山の世界文化遺産を目指して、末松文部科学大臣に陳情をしました。末松大臣は午前中は参議院の本会議、午後2時からは衆議院の本会議でそれぞれに代表質問があったのですが、合間を縫って快く陳情を受けていただきました。
阿蘇山は14年前から世界文化遺産の指定を目指してこれまで活動をして来ました。阿蘇外輪山内で営まれるカルデラの地形を活用した農業や林業、また野焼きなど草原管理システム、豊富な湧水、さらには各地で行われる火山信仰、そして何よりダイナミックな景観など世界の文化遺産としての価値が十分にあるとして、まずは、暫定リスト入りを目指しています。しかしなかなか暫定リストに入れません。
暫定リストとは世界遺産への申請を待つウェーティングサークルの様なもので、現在、複数の候補地がこの暫定リスト内で順番待ちをしています。今回申請の候補に上がった「佐渡金山」も長らく暫定リスト内で待っていた候補地です。その他「古都鎌倉の寺院・寺社」「飛鳥・藤原京」「彦根城」などがあります。
暫定リストに入れば、国際機関への申請が現実のものになって来ますので、今回初めて知事、阿蘇郡市内の首長さんが勢揃いして、力を込めて大臣に面会したのでした。
しかし回答はなかなか厳しいものでした。阿蘇山全体を世界文化遺産への指定を目指していますが、大臣や文部科学省・文化庁からの答えは「噴煙を上げる阿蘇中岳や草千里などは文化の維持、保全が行われているが、阿蘇全体からするとその面積割合は小さく、阿蘇全体での文化に対する活動が行われていない。もっと広範囲に外輪山内の全ての自治体で世界に誇れる文化地域として、しっかりと守って戴きたい」という趣旨のものでした。
知事らも改めてこれまでの文部科学省との意思疎通が十分でなかったことを気づかされたようでした。もちろん熊本県側としては懸命の活動をしてきましたが、文部科学省が求める世界遺産へのアプローチの仕方と少しずれがあるようでした。
今後改めて作戦を練り直さなくてはなりません。私ももう一度大臣と個人的に会い、何が一番足りないのか、今後どのような活動をして行けばいいのかをしっかりと聞いたうえで県にアドバイスしたいと思います。
陳情時間は予定をオーバーして20分ほどでしたが、単なる陳情でなく、現実を思い知らされる実のある要望活動でした。大臣も本音を言っていただき私たちも世界遺産の難しさを思い知るとともに改めてファイトも湧いてきました。
明日から気持ちも新たに活動開始です。