自民党で米価格対策、白熱の論議

2021年10月12日

 12日(火)、午後4時45分から自民党本部で「農林・食料戦略調査会」(塩谷立会長)・「農林部会」合同会議が開かれました。議題は「米政策の推進状況について」です。

 昨年からのコロナ禍で中食・外食の需要が落ち込み、農林水産省の見通しでは3・4年の米需要量は703万トンです。一方で令和3年産の主食用米の生産量は693万トンです。需給は調整されているようですが、民間の在庫量が219万トンに積み上がっており、どうしても供給オーバーで、3年産米のコメの価格が1俵(60㎏)当たり、1500円から3000円ほどの幅で低下しそうです。60キロ当たり1000円以上価格が下がると大規模農家などにとっては大きな減収となり、農家不安が増幅することから、これまで農林水産省やJA全中、全農などと協議が行われてきました。その結果報告がこの日ありました。
 会場には40人を超す議員が出席、解散を前にしているだけに皆さん必死の形相でした。

 この日の報告では、需要減に相当する15万トンについて「特別枠」として、長期保管するための経費を国が全面的に負担する、というものでした。JAにおける米の保管料は各農家が負担することになっていますので、その分農家負担が減り実質収入増になります。また、中食や外食業者への販売促進を実行し、子ども食堂などにも米を提供するというものでした。
 それ以外にも水田に関する交付金でカバーし、また無利子無担保での融資制度なども設けられました。

 今回のコメ対策で農家の不安は和らぐと思います。価格が低下した分は何らかの手段で補われることになります。特に東北地方のコメ農家の皆さんにとっては死活問題ですのでまずは一安心されることと思います。

 そのような中で私は次のように発言しました。
「今回の対策はパーフェクトに近く、関係者の皆さんに感謝する。しかし、米の需要が減っている中、米の出来具合によって毎年このような対策が行われることに、国民の皆さんから理解していただけるか、はなはだ疑問だ。私の地元では350ヘクタールの集落営農組織をつくって、主食用米はほとんど作っていない。飼料用米と大豆と飼料用稲の3本柱である。このように集団で懸命に努力している方々の事も考えて欲しい。今後は私たちの地域でやっているような、需給調整が効果的にできるような仕組みをつくり上げることが重要だ。財政措置に対する国民の目は厳しくなっている」と少し辛口の意見を述べました。

 久々に自民党の農林関係の部会に出席しましたが、やはり活気があります。この日も20人ほどが手を挙げて「農家を守れ」と活発な意見を出しました。午後6時過ぎまで白熱の論議でした。しかし、一方でこの論議を、今後の改善に繋げることが大切です。
 力技による予算獲得も大切ですが、中長期の対策をしっかりと立て、効果的に実行して行かなくては、「農政は変わらない」と言われかねません。