NTT東日本のデジタルと地方創生

2021年09月25日

 24日(金)午後12時40分、東京都新宿区西新宿3丁目の複合文化施設「オペラシティ」(地上54階、地下4階)内にあるNTTインターコミュニケーションセンターに視察に行きました。

 目的はNTT東日本がデジタルやIОTを駆使して地域活性化のための地方創生に取り組んでいることから、その現状を聞き、意見交換をするためです。矢野信二NTT副社長らが出迎え、そして案内していただきました。

 まず驚かされたのは現在公開している、デジタル技術を駆使した「北斎vs廣重」展です。北斎の富嶽三十六景と廣重の東海道五拾三次を20億画素(画像形成の最小単位)という細かな粒子で復元し4K大画面などで展示してありました。細やかな色合いとともに波や着物生地の凹凸、富士山にかかる雲のフワフワ感がデジタル技術で手に取るように分かります。まさに2人の天才が考え出した版画の超絶技法の奥深さが、デジタルによって解き明かされ、我々素人にも理解出来るようになっていました。さらに室内全体の3D技術により風景の臨場感も味わうことが出来ました。

 NTTでは「分散型デジタルミュージアム」として、各地域において新たな芸術鑑賞の機会をつくりたい、という事でした。全国どこにいても、新たな技術でリアル以上の絵画や版画や彫塑などの芸術作品を鑑賞できるなら地方にとって、これまで機会が少なかった文化芸術分野との触れ合いのチャンスが増え、新たな芸術に関連した地方創生が期待できます。

 それ以外にもICTを使ったスマート農業により次世代施設園芸として運営されているトマト栽培ハウスや国産ドローンを使った農業の省力化、効率化。IОTを活用した陸上養殖事業、更に℮スポーツ振興に向けた学校での部活動支援などあらゆる分野で地域活性化に向けた取り組みが行われていました。

 意見交換でも今後の農業に教育に、人材の育成にと様々なデジタルの可能性について話が出てきて大変有意義でした。

 文化芸術、農業などの各種産業、教育現場、介護や高齢者支援などに対するデジタル技術の活用は無限です。デジタル庁のスタートとともに、各民間企業の新たなビジネスも兼ね備えた地域でのデジタル展開が広がって行けば、これまでの発想とはまた違った地方創生が実現できると確信しました。