フランスの障害者担当副大臣と会談
2021年08月27日
27日(金)午後3時、フランスのソフィー・クリュゼル首相付障害者担当副大臣が私の大臣室を表敬訪問されました。先のパラリンピック開会式に出席され、その後日本の障害施策の現場などを視察されているものです。副大臣は4児の母親で、障害関連の社会活動をされており、議員ではありませんが、その行動力と全国的な知名度が認められて、首相付の副大臣として抜擢された方と聞きました。在日フランス大使も同行されました。
まず私の方から、パラリンピック開会式の印象を聴きましたら「素晴らしいものだった」と称賛されました。更に私が「私も開会式のパフォーマンスを見ていて、障害者が自らの力で飛び立てる、という強いメッセージとテーマを持ったもので非常に感銘した」と言いますと、副大臣も「パリ・パラリンピックでの開会式のハードルが上がった」とおっしゃり、外国の人が見ても、感動するような開会式だったということが分かり嬉しく思いました。
障害者担当ですが「コロナ禍の孤独・孤立問題」にも強い関心を持たれ、私が実行している政策などに興味を持たれました。私からNPOなど民間団体の働きがこれからますます重要になってくる。同時に孤独・孤立の実態調査も実施することにしている、と報告すると、民間団体の重要性はフランスも同様で今後も力を入れる、という事を言われました。実態調査はフランスではまだ実施していない、予定もない、という事でしたが、孤独に悩む人は確実に増えており、重要な政策課題であることを強調されました。
また、若者に対して「ユニバーサルサービス制度」を設け、一定の年齢に達すると全員1か月程度、障害者などに対応する訓練を強制的に集団で行う、という制度をスタートさせたことも明らかにされました。私が「強制的という事で国民からの反発はないのか」と聞きますと、「フランスには以前徴兵制度があったが、(それに比べれば)ボランティアの重要性は若者も認識しているので反発はない。」、「市民としての協調性を高める取組」と言われ、お国の事情の違いを感じました。
早朝から国旗を掲揚し、国歌を歌い、集団生活の中で様々な学びをして行く、と自信を持っておっしゃいました。諸外国は一時的にせよ若者に厳しい訓練を課しているようです。
また私の方からは少子化対策で今後もフランスをお手本に政策を遂行して行きたい、と言うと「フランスの少子化対策の歴史は古い。男女平等の意識が強く、働く女性が多いことが少子化に歯止めをかけている。その代わり国は託児所(保育所)をこまめに充実させている」と、ジェンダーイクオリティの考え方と政策の歴史的積み上げを強調されました。一日も早く我が国も意識改革の面でも追いつきたいものです。
やはり外国の政治リーダー的な方と話をすると、学ぶべき事が数多くあります。一方で今回の日本視察で、JR駅での職員の障害者に対するサポートなどに感心しておられ、日本が進んでいると感じた部分も披露されました。お互いの情報交換で政策の質を高めたいものです。
近くフランスに帰国し、閉会式には別の大臣が来日されるそうです。現在、パラリンピックは順調に進んでいますので、大きな成果を得て、各国要人と閉会式を迎えたいものです。