近づく東日本大震災から10年

2021年03月09日

 3・11東日本大震災からやがて10年です。9日は早朝7時15分から官邸で「復興推進会議・原子力災害対策本部会議合同会合」が全閣僚出席のもと開かれました。10年経ってどの程度復興したか、市民の暮らしがどうなったか、そして福島の原発の復興10年の現状と課題について担当の大臣から報告がありました。報告を聴きながら、それぞれに考えることがありました。熊本地震もそうですが、このような大災害を風化させない、という事が一番大事です。世代が代わってくるとどうしても、あの光景が薄れてしまいます。そしてこれまでの来し方を顧みながら、反省をして今後に備える、という事もつい忘れがちです。改めて私たちの取り組みの姿勢が問われます。

 私も自民党で災害対策特別委員会の事務局長をして、熊本地震以降の自然災害に携わって来ましたが、本当に災害に対しての救済措置が充実し出したのは、熊本地震以来、北海道など、いくつかの地震や九州北部水害など毎年、風水害、豪雪被害が襲って来てからです。

 特に、個人財産に対しての補償はこれまでなかったのですが、最近はそれも可能になりました。災害は原型復旧が原則でしたが、それも改良復旧に変わって来ました。災害で大きな被害を受けるたびに、被災者の声が少しずつ届いているのだと思います。

 しかし、東日本大震災の福島原発事故だけは原発事故という特殊性があります。そして反省点も風水害のように毎年襲うものでないだけに、何が反省点かが分からなくなっていく懸念があります。原発事故を風化させない、その事は良く理解できますが、それでは何を反省してどう改善して行けばいいのか、という事になると様々な課題が立ちはだかります。

 この日も東日本大震災からの復興基本方針が示され、菅総理が「福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なし」と決意を述べました。

 10年が経過して、エネルギー政策も含めて私たちは難しい課題に挑戦していかなくてはなりません。