自民・税調、電力会社の課税方法で攻防
2019年11月28日
自民党の税制調査会は、いよいよ佳境を迎えて来ました。今回の税調での焦点はいくつかありますが、電力会社に対する課税方式を巡る攻防もその一つです。
電力料金はこれまで「総括原価方式」という方式で決められていました。それは発電や送配電にかかるコストを積み重ねた上に一定の収益を上乗せして電気料金を決めるものでした。このため課税も収入からコストを差し引いた所得ではなく、総収入に課税されていました。
しかし、平成27年から「エネルギーシステム改革」が法律によって進められてきました。それは電気会社やガス会社、熱会社などエネルギーを作り出す企業の縦割りを取り払い、どの会社でも電気を作り出し、自由に電気やガスを売っていいという法律です。
このため、電力会社は、仕組みが変わり自由競争になったので、苦しい。収入に課税するのではなく、他の企業と同様に、コストを差し引いた所得に課税すべき、と主張しています。しかし各地方自治体は所得課税になると大幅に税収が減ります。地方自治体としては、自由競争になったとはいえまだ既存の電力会社が電力の支配権を持っており、新規参入は難しい状態であること、そして火力発電所や原子力発電所など発電施設は大規模で、発電をスムーズに行ってもらうために自治体としては、道路を整備したり、環境面を充実させたり、地方の税金を使ってかなり電力会社の発電を助けているし、電力会社もその受益にあずかっているので、応分に税金を負担してほしい、そのためには収入に対して応益課税として納税してほしい、と訴えています。
地方自治体にとって、電力会社からの税収額は莫大ですので、これが減収になれば致命的な財政不足に陥らざるを得ませんので必死です。
来週にその攻防が本格化します。私は地方の財源を守らなくてはなりませんので、いろいろと考えて来週に備える予定です。
地方税源確保の正念場でもあります。