古式ゆかしく即位の礼正殿の儀

2019年10月23日

 昨日の即位の礼は、皇居で古式にのっとって行われました。宮中には、いくつもの広間がありますが、礼が行われた部屋は「正殿松の間」と言われるところで私たちが副大臣として、天皇陛下から認証を受けた時の部屋です。昨日、私たちが座った場所は、そのはす向かいになる、最も広い「豊明殿」と言われるところでした。
 ガラス越しに松の間の方を眺めながら、見ていましたが、天皇が「高御座」から宣明されるところなどは見ることが出来ませんでした。しかし天皇陛下や皇后陛下、秋篠宮様や各宮様が束帯や十二単で、正殿の廊下を衣擦れの音をさせながら進まれる姿は、あでやかで荘厳で、本などで見た平安時代にタイムスリップさせられました。
 あいにくの雨で、宮殿に囲まれた広場に勢ぞろいするはずだった平安朝の儀式は、室内で行われましたが、雰囲気は十分に伝わってきました。外国の賓客の方々が「ミステリアス」と言っておられましたが、まさに日本はよくこれほどの伝統文化や儀式を忠実に守り続けてきたものだ、と改めて我が国の素晴らしさを感じました。1200年前の行事が、これほど守られているのは世界で我が国だけではないでしょうか。
 2000人もの参加者でしたので、皇居を出るまでに1時間半くらいかかりましたが、やはり胸にしっかりと刻まれる、式典でした。