日本も情報通信戦争へ
2018年12月20日
中国の情報機器メーカーで、世界でスマートフォンのシェアー第2位を誇り、さらに各通信基地局の部品などに使用される機器の多くを制作する「ファーウエイ」の女性最高財務責任者がカナダで逮捕された事件は、大きな変動を世界に与えています。その後中国も報復としてカナダ人3人の身柄を拘束しました。カナダ政府は、「アメリカ政府の要請に基づいて逮捕した」と発表しており、まさに情報通信の世界は米中戦争と周辺諸国を巻き込んだ戦いに発展しつつあります。
アメリカの要請でイギリスやフランス、ドイツ、オーストラリアなど自由主義国の多くはファーウエイの機器排除に動き出し、日本政府も名指しはしないものの、疑いがもたれるものの点検と政府調達についての指針を改めて発表しました。
そのさ中に、昨日はこのような状態を議員でも検証して、この後、立法や財政的に何ができるのか、ということを議論する「サイバーセキュリティーに関する議員連盟」が発足しました。会長は情報戦略調査会長の山口俊一先生です。私も同調査会の幹事長ですので出席しました。
我が国の基地局にもファーウエイの機器は数多く使用されており、もしその機器が悪意に使用されれば、情報は中国に筒抜けですし、中国としてはどのような日本つぶしの工作でもできます。それが安全保障であれば、なおさら危機は高まります。イージス艦や戦闘機、ミサイルなどすべてが電子と情報通信の中で動きますので、大本を締められたらアウトです。
昨日は「セキュリティー議連」としてスタートしましたが、実際はいろいろなものが組み立てられていく過程で、調達品が取り込まれ、いつの間にか国民の情報まですべてが漏洩していくということが最も心配であるので、次々に組み立てられていくという「サプライチェーン」の中でどのような検証ができるのかに重点を置くような議論をしていこう、ということになりました。今後、年金や所得、税金、マイナンバーカードなどより生活との関係が深い具体的な仕組みについて、果たしてどのような被害が考えられるかも含めて勉強会を積み重ねていきます。
いよいよ情報通信戦争に我が国も入ったということを目の当たりに感じました。