森林環境税創設など税制論議終了
2017年12月14日
昨日は自民党税制調査会が開かれ、平成30年度からの新たな税制が決定しました。今日最後のまとめを行ない「平成30年度税制大綱」の作成に入ります。
今年の税制の最大のテーマは、荒れる森林を整備するために、全国民の皆さんから「森林環境税」という名称で税金を徴収し、それを市町村に配分して、所有者不明の森林などを市町村が責任を持って管理し、日本の山を守るという税金の創設でした。
税額は年間1000円。個人住民税に上乗せして徴収をするというもので、徴収の対象者は6000万人、ですから600億円の財源が生まれる、ということになります。それを1,700の自治体と47の都道府県に森林面積に応じて配分するものです。
色々な論議がありました。「現在各都道府県が独自に徴収している環境税はどうするのか」「森林のない市町村はどうなるのか」「平成31年10月から消費税が10㌫になるのにそれに先立つ増税で国民の理解が得られるのか」「年間1000円でも負担が重いのではないか」などなどです。
結局徴収するのは、平成36年4月からになりました。現在東日本大震災復興特別税が年間1000円住民税に上乗せされていますがその法律が切れるのが、平成35年度(平成36年3月)です。その期限切れに合わせて森林環境税に差し替える、ことになりました。それまでは31年4月から、36年税創設を担保に5年間1200億円(最初の3年間200億円、残りの2年間300億円)を借り入れ、市町村に配分し、借金した額は36年の創設後、少しずつ返済していくことにしました。
森林を持たない都会や水田地帯にも配慮をして、配分の3割は人口比例を導入にすることにしました。また当初は都道府県がリードしていかなくてはなりませんので、都道府県にもある程度配分することとしました。
これで国民の皆さんの負担感を減らすこと、できるだけ早く市町村にに配分すること、森林を持たない地域への配分などは一定の理解を得られました。約30年前から出てきました森林環境税がいよいよ実現します。
また生産性を効率化したり、賃上げを実施する企業に対する優遇措置なども盛り込まれました。
そのほか所得税においては、年収850万円を境に、より収入が多い人には増税、少ない人には減税、というバランスも取りました。
税制が終了しましたので、残るは29年度の補正予算と30年度の当初予算です。今日からその数字が徐々に明らかになっていきます。今週と来週が大詰めです。