どこまで突き進む北朝鮮

2017年09月05日

 北朝鮮が今度は水爆実験と思われる行動に出ました。木曜日から熊本に帰っていましたが、どの会合やミニ集会に行っても、「北朝鮮の問題はどうなるのでしょう」と、不安と怒りとやるせなさが入り混じった問いかけがありました。皆さんにイライラが募っていらっしゃいます。日本全体がそのような状態にあるのだと思います。中には「一気に攻撃してしまえばいいんだ。」などという物騒な意見も少なくはありません。
 しかしここはまず、外交手段できっかけを作ることだと思います。時間はかかるし、フラストレーションも大きいでしょうが、様々なリスクを考えた時に、外交交渉、制裁、中国、ロシアへの粘り強い働きかけを継続していくことです。
 軍事行動は最後の手段で、北朝鮮も国民は生活が疲弊して、「将軍様」と言っているに過ぎないとも感じ取れます。まさに極東アジア外交の正念場です。ヨーロッパや中東などではこのような、外交と軍事挑発と軍事オペレーションが繰り返されてきました。今まさに極東アジアが、その錬度を問われる時です。
 かつての日本を取り巻く情勢はこのようなものだったのでしょう。満州事変に始まり、警告を与えども与えども、中国大陸に向かっていく。止まることのない日本の軍事行動に対して欧米、ソ連は様々な対策を練りながら、ついには日米戦争に発展しました。
 今回も北朝鮮だけにとどまれば何のことはないのですが、中国、ロシアが控えています。第一次世界大戦は、サラエボで起きたオーストリア・ハンガリー帝国の皇太子暗殺事件がきっかけとなり、「偶然と読み違え」が重なりあれほどの大戦になりました。
 現代は1914年当時とは状況が違いますし、安全保障の仕組みがかなりつくられていますので、大事には至らないと思いますが万が一ということがあります。慎重にことは進めなくてはなりません。