一週間のヨーロッパ視察

2017年08月28日

 8月19日から約一週間、ヨーロッパのエストニアの首都「タリン」、ドイツの「ベルリン市」と「ポツダム市」フランスの「ナント市」に総務委員会の理事による視察のため、出かけていました。
 エストニアは1991年に旧ソ連から独立した共和国で、人口はわずかに135万人の国です。「ラトビア」「リトアニア」と共に「バルト3国」と呼ばれます。かつてロシアからサイバー攻撃を受けたことが発端になって、現在では世界一マイナンバーカードが普及し、先端の情報通信技術でネットワーク社会をつくり上げている国です。国家を挙げてのICTに対する取り組みとサイバーセキュリティーを聞いてきました。ちなみに大相撲の元大関「把瑠都」(バルト)はエストニア出身で帰国すると大変な人気ということです。
 ベルリンは様々な研究成果を産業に結び付けていく研究所「フランフォーファー」の組織を視察しました。2年前ミュンヘンの「フランフォーファー」でも同じ視察をしましたが、ドイツは各都市に67の「フランフォーファー」があり、単に研究成果に終わらせるのではなく、学術と地域の産業と結び付け、ビジネスにもって行く努力をしています。その橋渡しが「フランフォーファー」です。
 ポツダムではポツダム大学の地方自治の教授から2時間たっぷりと、ドイツの地方自治の授業を受けました。教授は「本来なら20時間をかけて講義をするところだが、今日は特別に2時間の講義で皆さんに理解してもらう」と冗談を言いながらみっちりとドイツ人らしく理詰めの講義をされました。
 ナント市は鉄鋼業の工場や石炭加工工場、ビスケット生産工場が次々と閉鎖していく中で、その工場を劇場やイベントホール、展示場や学習館に衣替えして、20年以上をかけて芸術の町に生まれ変わらせ、今やフランス有数の文化と芸術と観光の町によみがえらせた、フランス版「地方創生」の地域でした。街にも活気があふれ、移り住んでくる住民も多いということでした。
 一日午前、午後それぞれ、2箇所ずつの講義や意見交換でくたくたになりました。夜は夕食を挟み地元の有識者との意見交換です。
 本来なら26日まで滞在の予定でしたが、私は熊本地震からの復興の象徴の一つである、「長陽大橋」の復旧開通式と渡り初めの式典が、28日の小中学校始業式を前に、27日開催されるため予定を一日繰り上げて、25日に帰国の途につきました。
 視察の写真は後ほどアップします。我が国の情報通信や地方創生、地方自治の今後のあり方を考えさせられる充実した視察でした。
 今日から通常の仕事に戻ります。早速昨日に上京して、9月後半にも始まる臨時国会に向けての準備をします。