明日から北海道酪農調査
2016年09月30日
自民党の畜産酪農対策小委員長として明日から北海道を視察します。現在調査をしている「生乳の流通問題」に対しての現場の意見を聴くためです
牛乳の流通は複雑です。飲むための飲用乳以外にチーズやバター、脱脂粉乳、生クリーム、醗酵乳製品などその使い道は多様です。
日本全体の牛乳量で言うと、飲用乳とその他加工する乳製品の割合は半々です。飲用乳は保存が利きませんので、できるだけ早く消費者の手に届けなくてはなりません。一方加工したバターやチーズは保存が利きますので、価格面ではどうしても飲用乳のほうが高く取引されます。このためできるだけ飲用乳で酪農家の皆さんは出荷したいのですが、あまり多くなると価格が暴落します。乳製品にまわすことによって需給調整してきました。
このため不公平がないように、加工する乳製品に回す分には、飲用乳との差額に当たる金額を補給金として国が補填しています。補給金は税金ですので、個々人に配分するのではなく、一定の公的性格を持つ団体を国が指定して、その指定団体に出荷した農家に対して、指定団体を通じて補給金が支払われるという仕組みです。その指定団体が全国に10団体あり、それが全国農協中央会の傘下にあります。
特に全国の牛乳量の半分を生産する北海道では、飲用乳より乳製品用に出荷してもらい、補給金を出しています。北海道は8割が乳製品です。
ところが北海道を拠点に、飲用乳だけを取り扱う企業が出てきました。農家にとっては価格が高い飲用乳として引き取ってくれますので、そちらのほうに出荷したくなります。ところがこの企業でも飲用乳だけでなく、乳製品を作る計画があります。しかしこの企業は国から指定された団体ではありませんので補給金がもらえません。そこでこのような企業にも補給金を出すべきだという報告が総理の諮問機関である「規制改革会議」から出てきました。流通を多様化、自由化して欲しい、という訳です。
ではどのような流通形態にすればよいのか、補給金をどの団体まで出せばよいのか、指定団体の定義とは何か、需給調整はどのようにして行うのか、などが今回のテーマで、それを11月までに自民党の意見としてまとめなさい、というのが私に課せられたミッション(使命)です。
これまで机の上で勉強会をしてきましたが、明日から北海道、その次は関東地方と全国の調査に入ります。11月まで責任の重大さを感じます。しっかり取り組みます。