歴史を学び未来を考える会
2016年02月10日
昨日から、自民党の「歴史を学び未来を考える本部」(本部長 谷垣禎一幹事長)の学ぶ会が始まりました。この本部は概ね日清戦争以降の日本近現代史を学び我が国の未来を考えようと、もうけられたものです。いまさら歴史を、という議員も多いのですが、日中、日韓、日露、日米、日欧、そして日本と中東、またテロ組織への対応など我が国を取り巻く環境が複雑になっている中でもう一度我が国の国柄や、先人たちはどんな努力をしてきたのか、などを学びこれからの判断材料にしようというものです。
自民党にも考え方として左右両派ありますので、歴史を学ぶということは、個々人の思想信条もあり難しいことですがあえて、客観的な歴史を学びそれぞれの判断材料になればという狙いです。
昨日は東京大学名誉教授の山内昌之先生が「歴史をどう考えるかー先人に学ぶ」というタイトルで講演されました。
幕末1853年7月にペリーが来航し、一年後にまた来ると言い残して去っていった時に、当時の幕府は、現在のお台場に半年で砲台6基を建造して、翌年2月に2回目のペリー来航時に東京湾内部に艦船を進入させなかったこと、の大きさについて話されました。
砲台をつくるという技術が既にあったこと、200年以上鎖国をしていたにもかかわらず、国家の安全保障を考え、緊急の事態に対応できたこと、その防備はその後それまでの城郭の概念を捨て去り函館五稜郭のような新たな防衛形態に変化していったこと、などを取り上げられ「具体的な事態に懸命に対処する安全保障の意識の高さがあったこと。そしてそれを次の安全保障に結びつけていった先人たちの知識と先見性に学ぶべきである」と言われました。そして「事態を自分の都合の良いように解釈し、自らの思い込みで事態を乗り切ろうとすることが最も愚かなことである」ことも指摘されました。かつての日中、太平洋戦争への道がそのような思考であったようです。
大学の講義を聞いているようでなかなか難しいところもあったのですが、今後講師が時代ごとに変わっていきます。どの様な講義をされるか、楽しみでもあります。