年内の懸案に対して始動

2015年11月04日

 8日間のヨーロッパ視察が終わりました。自民党の中の役員も決まりました。年内に来年度の税制、TPPへの対応策をやらなくてはなりません。今日から始動です。
 ヨーロッパは大変勉強になりました。最初のドイツミュンヘンはシリアからの難民問題で揺れていました。メルケル首相は数十万人の難民受け入れを表明したのですが、国民は反対が多く支持率は急速に低下してました。鉄道の駅などにも難民と思われる方が大勢おられやはり市民感情としては複雑です。州議会、市議会の方とも話しましたが意見が分かれるところです。しかし国策としては現在シリアから逃れてこられる方は技術者や研究者などいわゆるエリート層が多いということでそこを狙って少子高齢化が進み将来の労働人口に不安を持つドイツ政府が受け入れをいち早く表明した、ということも聞きました。国策と実際に受け入れる自治体の考え方と対応にかなりの温度差があるようです。
 ドイツのバイエルン放送局とフランスでは国営フランステレビジョンの話を聴きました。悩みは一緒です。受信料をどうするか。テレビ番組がネットに同時配信され、いまや国民はパソコンやスマホなどの端末で放送局の番組を見る割合が5割に達しています。このため日本の受信料に当たるものをいかに徴収するかが最大の課題です。
 ドイツでは情報収集負担金ということで全ての国民から徴収するという制度を6年前から発足させているということでした。当初は抵抗もありましたが、現在は情報をテレビやソーシャルネットで収集するからにはそれなりの負担は必要という認識が浸透しているということでしたが、一方で裁判も起きているということでした。
 フランス国営テレビジョンは「公共放送負担税」「補助金」「限定的な広告料」の3本立てでしたが、今後は「補助金」を減らして、番組を流しているインターネットアクセス企業に対して目的税を徴収するという法律を今議会で審議しているということでした。 今後、NHKの受信料に対しても様々な変化が出てきます。国民の皆さんの負担に対しても配慮しながら進めていかなくてはならないと強く感じました。
 日本の郵政に当たるフランスの「ラ・ポスト」からも話を聴きました。日本郵政と一緒で年々減少していく郵便物に代わって流通や金融でいかに稼いでいくかを盛んに検討していました。「ラ・ポスト」は株式会社ですが株は国が全株持っています。そこで日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の株式公開には強い関心を持っていました。
 各国とも経済が最大の懸案です。いかに技術革新をして、他国に先駆け輸出を増やし、失業率を減らすか、様々な取り組みがそこにありました。EUで通貨が統一されているとはいえ、経済対策に対してはその国の歴史と国民性、国の仕組み、産業構造がそれぞれに異なり各国悩みながらも、懸命の努力が続いていました。我が国も負けてはいられない。最適の政策を打っていくことがいかに今後の国家の命運を左右するかということを改めて実感しました。
 内閣改造後の役職は、副幹事長、税制調査会幹事、農林部会畜産酪農対策小委員長は変わりません。新たに地方の自民党組織を活性化させる「地方組織・議員総局長」という役職が加わりました。
 TPP対策に、地方の選挙対策に、全国を走り回ることになりそうです。頑張ります。