ファミレス社会

2015年09月10日

 東京大学名誉教授の神野直彦先生を囲んで「未来の日本の会」という勉強会をつくっています。一昨日久々に会を開きました。その中で先生がデータを示しながら日本の家族意識の低下が世界の中でずば抜けているということを言われました。
 家族をストレスと感じている若者が調査の結果6割にも上ること。「一月に何回家族で食事をしますか」という問いには回数として上がってこないこと。年単位にすれば2回とか4回とか上がってくること。
 これらの数字は世界の中でも飛びぬけているものだということをおっしゃいました。また「草食系」と若者が言われだして久しいが今や「絶食系」と言われていること。このまま行ったら日本の家族意識は崩壊し「無縁社会」となり、孤独死のが増加するだけであるということも。ちなみにフランスでは日本における「孤独死」は存在しない、とも言われました。
 そのうちに低所得者が生活困窮者とは限らない時代になりますし、財政的にも所得の再配分がうまく行きませんので不安定な社会になります。そこで共同体的人間関係のリハビリテーションをしなければ社会が持たないということを言われました。
 そのためには祭りやスポーツなどの地域行事のコミュニティーリハビリテーション、家族とコミュニティーのリハビリテーション、「社会保障国家」から「社会サービス国家」への移行、などをあげられました。
 これらを具体的な政策としてどのように落とし込んでいくか、難しく、スケールの大きい作業をしていかなくてはなりません。