農業予算大幅増の要求

2015年08月26日

 昨日自民党の農林水産調査会と農林部会の合同会議で、来年度の農業関連予算の概算要求が承認されました。民主党時代に6割削減されていた、農業農村整備事業・いわゆる土地改良事業を1000億上積みするなど、生産基盤の強化と意欲ある農家への支援を中心とした予算の要求になりました。
 土地改良事業は水田や畑を大規模区画に集約して生産性を高めるためにより効率的にしようというものです。民主党時代に「米が余っているのに水田の圃場整備に予算をつぎ込む必要はない。無駄遣いだ」と言われて、それまで5000億円あった土地改良予算が6割削られ2000億円台になりました。しかし農業の基本は土地と水です。どんなに時代が変わっても生産しやすい農地の形と常に水を引いたり排水したりする仕組みと施設をつくっておくことは基本中の基本です。今回やっと3177億円の要求まで来ました。以前の予算までの復活を目指します。
 そのほかの柱は、畜産酪農農家が集団で新たに施設を近代化するための支援政策「畜産クラスター」(クラスターはブドウのような房の意味)に350億円。担い手や法人が規模拡大や施設近代化のためにある程度自由に使ってよい強い農業作り交付金に345億円、更に米余りを解消し水田を守るために、飼料米や飼料稲、大豆、麦を作ることに助成する水田活用直接交付金に3177億円、これらが柱となります。総額は2兆6497億円で27年度より3400億円多い要求となります。
 この予算を有効に使うためには、農業者の側も人農地プランを始め今後の計画と実践の青写真をしっかり組み立てていかなくてはなりません。
 農業予算は補助が多いといわれますが、補助がなくては1年間の作物作りには耐えられません。大切な食料生産です。農業の大切さを全国民が理解して、無駄のない予算の執行、未来に繋がる農業生産現場の改善、そして組織としての農業生産や家族経営としての農業、更に農村集落が果たす役割の大切さ、などを実現していかなくてはなりません。