風評被害の恐ろしさ

2015年08月05日

 昨日は自民党の「火山特別委員会」と私が幹事長を努める「火山予知議員連盟」で神奈川県箱根町の大涌谷を視察しました。
 大涌谷は今年に入り噴気が続き、6月末には噴火警戒レベル3になっているところです。
 これまで全く活発な活動がなかった箱根が突然噴気したことで、箱根の旅館・ホテルはキャンセルが相次ぎ大変困ってるという陳情があったため出かけました。
 現場では確かに噴気が上がっていました。しかし、阿蘇山を毎日見ている私にとってはそれは温泉の水蒸気みたいなもので、爆発につながるようなものではありませんでした。
 その後地元の旅館組合、町長さんたちと意見交換をしましたが、やはりこの夏は客足が極端に減り、平年の3割減から7割減ということでした。箱根は年間2000万人の観光客が訪れ、日本有数の観光地です。旅館も例えキャンセルがあっても他のところより余裕があるだろう、と思っていましたが事態は深刻でした。
 温泉街も人影はまばらで夏の観光シーズンとは思えないくらいです。従業員への給料もなかなか払えないということで皆さん国の何らかの対策を、と訴えられました。セーフティーネット資金など政府系金融機関の融資も予定されていましたが、3年据え置きの4年償還、これで借り様にも返済のことを思うと借りられない、という意見が数多く出されました。
 箱根という観光地、東京の方々の関心も高い、しかもこれまで火山としては数えられていなかった箱根の山、それが水蒸気を上げて噴気したということで一斉に箱根が危ない、という報道になりました。マスコミはこと大げさに報道しみんなの耳目を集めなくてはなりませんが、実際はそれほどのこはありません。それより報道などにより町や旅館の賑わいが消え、大変な損失になることの方が重大である、とも感じました。
 事実をありのままに、そして淡々と受け止め冷静に判断していくことが求められます。現在はネット社会も手伝ってあまりにも大騒ぎすることが多すぎるようです。