訪中の報告

2015年07月01日

 先の日記でお伝えしましたように、28,29,30日の3日間中国に野田毅先生を団長にAA研として行き、北京で要人と会見をしてきました。
 会見した要人は中国共産党ナンバー4の兪正声全国政治協会主席、唐家旋中日友好協会会長、中国共産党中央対外連絡部(党の外務担当)の劉洪才副部長、中国人民対外友好協会の李小林会長(女性)の4人です。
 会談の内容はほぼ同じです。中国側は①これまで以上に日中友好を深めて行きましょう②しかしそのためには歴史認識が必要です。過去の歴史を正しく理解しておかなければ、未来志向の基礎が崩れます③南シナ海で起きていることは中国の主権の問題です。日本は口をさしはさまないで欲しい④中国は大国と言われるけれど、まだ途上国の大国です。国内に色々と問題も抱えています。日本は必要以上に中国の脅威を煽らないで欲しい⑤更に友好を深めるために多方面に渡る分野の交流を進めていきましょう、ということを少しずつ言葉を変えて言ってきます。
 私たち日本側は[1]友好はあくまで未来志向で進めていきましょう[2]歴史認識は十分に持っています。その上で例えば戦後70年談話については、安倍総理が熟慮されておられます[3]南シナ海は私たちにとって重要な貿易ルートです。大国として力による支配はしないで欲しい[4]中国は周りの国から見れば既に大国です。ですから大国としての振る舞いをして欲しい。そのためにアジアの小さな国々の尊厳は守って欲しい。そのための共同作業を日中双方でやって行こうではありませんか[5]各分野の交流はどんどんやりましょう。中国からも学生をはじめ日本にどんどん来て下さい、ということを言います。
 特に中国側は、総理の70年談話については村山談話の順守を、南シナ海での行動は中国主権の範囲で行われており国内問題である、ということを強調しました。時には激しいやり取りもありましたが、中国は建前を言わなくてはならない立場もあります。そんなことを考えると日中友好は、最悪の時期を脱して、かなり良くなってきています。昨年も中国に行きましたが昨年よりは格段に良くなっています。日本でも必要以上に中国を敵視するのは良くないと思いますし、中国にも防衛行動などで自制を求めたいと思います。
 街を歩くと警官が多く、警備にピリピリしているのがわかります。それだけ国内問題もただならない状況であると感じました。
 充実した3日間でした。そして外交の難しさ、繊細さも改めて分かりました。