日本の情報通信産業はなぜ遅れたか

2015年06月18日

 昨日は自民党の情報戦略調査会で、情報通信国際機関で事務総局長を勤められた方の話を聴きました。20年前日本の情報通信は世界の先頭を走っていました。しかしその後アメリカ、ヨーロッパ、韓国、そして中国に次々追い抜かれ、いまや国際競争力を失っているということ。
 アメリカは情報通信のシステムのルールを自らつくりそれを世界のルールにすることによって強さを倍増させてきました。開発は軍事予算でやりそれを大学、民間機関が活用して実用的に開発するというパターンです。
 ヨーロッパは各国が得意の分野を開発し、住み分け作業をやりながら、先端技術の競争力を高めている。
 中国はまさに国家ぐるみで開発、応用、そして中国のルール作りを強引に進めるという手法です。
 そこへ行くと日本は、以前は民間企業と霞ヶ関が一緒になって開発して世界最先端のものを作っていたが、それに胡坐(あぐら)をかいているうちに、霞ヶ関も民間企業の研究機関も機能しなくなってきた、ということでした。
 グーグル、アップル、サムスンなど耳慣れた企業は海外ばかり。そこにソニーもパナソニックも、東芝も登場しません。
 やはり少し油断するとダメ。そして人材の育成を怠ると20年遅れるということです。得意分野やこれから大切な分野に絞り込んで技術の開発をしていったほうがいい、というアドバイスでした。特にこれから問題が更に大きくなるハッカー対策についてサイバーセキュリティーの分野で人を育て世界の最先端を目指すべきと訴えられました。
 協同は社会には欠かせませんが、やはり競争は大切です。