TPPに関する国会決議危うし
2015年04月24日
一昨日は甘利経済担当大臣よりTPP交渉の現状の報告がありました。特に日本とアメリカの交渉の行方が、TPP参加12カ国全体の合意に大きな影響を与えます。
私たちは特に農業の分野において、米や麦、乳製品、豚肉・牛肉、甘味資源(さとう)などいわゆる重要5品目を、日本の農業、農家を守るため、また国内自給率を確保するために、関税撤廃の例外措置にするべき、と言うことで衆参両院の農林水産委員会で特別決議をしています。
しかしアメリカは、米は21・5万トンを別枠で関税なしで輸入させろ、と迫っていますし、牛肉は39・5㌫の関税を9パーセントまで下げろ、更に豚肉も450円近くある平均関税を50円まで下げろ、と言ってきていることが明らかとなりました。
これに対して日本は必死に抵抗して、認められないと言っているようですが、その手段として一定以上の輸入量になったら、関税を元に戻すというセーフガードなどで切り抜けようとしていることも分かりました。
しかしこれでは決議に違反します。いかに貿易が両国やアジア太平洋地域の国々の経済成長につながると言っても、自国の農業や国内産業がつぶれてしまえば元の木阿弥です。ここは交渉団は踏ん張ってもらわないと、私たちは条約批准のときに反対に回らざるを得ません。
約束は守るというのが政治の鉄則。それを破れば消費税を引き上げないと言っていて結局引き上げて国民の投票によって政権から陥落させられた、民主党の二の舞になります。来年の参議院選挙は戦えません。これからが正念場です。