川の環境を守れ

2015年04月08日

 内水面漁業振興法というのがあります。昨年私が農林水産委員長のとき成立しました。
 川の環境を守り、水棲動物の保護を図ろうという法律です。特にウナギは絶滅危惧種に指定されようとしていますので、世界に対しても日本がこれだけ、絶滅しようとしている水棲動物に対して努力している、ということを示さなくてはならないことから急いで法律を制定しました。
 しかし現状は河川の環境は、川に棲む日本固有の魚類に対しては厳しい現状です。
 まず河川改修でコンクリートの堤防などが魚類が棲む環境を奪っています。数々の堰(せき)は産卵のために俎上する魚の行く手を阻んでいます。カワウなど魚を大量に主食とする鳥類が、繁殖してその被害だけでも計り知れません。加えてブラックバスなど外来種の魚が増えて、フナなど従来の日本の魚を食べ尽くしています。
 私の選挙区に海はありません。その代わり河川、農業用水路は縦横に流れていますし、私自身、川沿いで育ちました。それだけに内水面振興には力を入れているつもりです。
 昨日、内水面振興議員連盟が開かれました。しかし、国の政策は河川の保護や水棲魚類の生息環境に力を注いでいるという状況ではありません。
 昨日の会合では「外来種にあまりにも甘すぎる。外来種法で一定の規制はされているが、ザル法である。罰則規定を強くしてもっと規制すべきだ。ニュージーランドなどは徹底して外来種の動植物が入り、生態系を崩すことを禁止している。もう少し開発事業に対して、ものを言うべきではないか」と意見を述べました。またカワウは以前は九州にはいなかったんですが最近は九州に飛来して魚類への被害を及ぼしている、ことも指摘させていただきました。
 皆さん同じ意見でしたが、現実は厳しい。それも各省庁の力関係に起因するところがあります。
 どうしても経済優先。釣りによるレジャーを優先し経済成長に結び付けようとすると、ブラックバスなどの釣りを許容せざるを得ません。洪水などの水害優先ですとどうしても堤防かさ上げが住民の優先事項になってきます。
 それでも対策はあります。環境省と水産庁にもっと力をつけてもらわなくてはなりません。そのための応援はしていきます。
 そうでないと「ウサギ追いしかの山、小鮒釣しかの川」の歌詞が子どもたちに理解できなくなります。