AIIB(アジアインフラ投資銀行)に加盟は是か非か

2015年04月07日

 先週一週間は中国が発展途上国向けに結成するアジア投資インフラ銀行(AIIB)に日本が参加すべきかどうかで議論が高まりました。現在アジア・太平洋地域には日本とアメリカ主導で、開発途上国に資金を融資する「アジア開発銀行」というのがあります。日本アメリカが31・4パーセントを出資し、67カ国が加盟しており、本店はフィリピンに置き世界に支店を配置して2400人の職員がいます。総裁は日本の財務省ОBが就任します。
 これに対抗して中国が途上国の支援に乗り出すために設立するのがアジアインフラ投資銀行です。
 アメリカは中国が設立する銀行で、運営方法が不明確なので参加しないようにと各国に呼びかけていましたが、結局ヨーロッパのイギリスやドイツ、フランス、さらに韓国など50各国が参加を表明しました。
 日米にとっては当てが外れた格好です。それだけに中国の吸引力は強いし、アジアの途上国への投資を狙っている先進国は多いということです。
 政治家の間では、出資は迫られるし、運営の主導は中国だし、よく見極めないと加盟すべきでない意見と、いや、初期の段階で名前だけでも加盟しておかないといけない。かなり今後中国に傾倒していく国も増えると思われるので、加盟しないと日本が不利になる、という意見があり、なかなか悩ましいところです。
 結局様子を見ようということになり日米は加盟しませんでした。この後どう展開していくかじっくり見ておかなくてはなりません。
 中国は私たちが考える以上に、経済力も軍事力もその影響力が世界に広がっていることだけは事実です。