畜産の現場が大変
2014年11月07日
自民党農林部会で畜産酪農小委員会の委員長をしています。現在アメリカとのTPP交渉がどのようになるかで生産者も私たちも神経をとがらせています。近く北京で始まる、アジア太平洋首脳会議(APEC)で関係閣僚がアメリカと接触しますが、合意は難しそうです。アメリカが関税面で日本が到底飲めないことを言って来ていますので、来年に持ち越しそうですが、アメリカの中間選挙で共和党が勝ったことで更に強硬に出て来るでしょう。共和党は力の政党ですから。
それに、子牛の価格がこの2年、異常に値上がりしています。日本の畜産は子牛を生ませて10ヶ月ほど育てる繁殖農家とそれを受け取って20ヶ月以上育てて美味しい肉にする肥育農家の2段階方式で出来ています。子牛を生ませ、子牛として育てる技術とその後肉質を考えながら育てる技術は、えさの種類など根本的に違うからです。もちろん、一貫方式でやられる方もいらっしゃいます。
ところが繁殖用の雌牛を10頭ほど飼育して子牛を出しておられた、高齢者の繁殖農家が次々にやめていかれ、子牛の供給量が足りなくなりました。1頭30万円で売られていたものが、50万円ほどになっています。それを買う次の段階の肥育農家は大変です。20ヶ月以上肥育して、90万円で売れたとしても、えさ代などを考えれば赤字です。
事実上の倒産が相次いでいます。11月の末から畜産と酪農に対する補助金の見直しなどの作業を私たちが始めます。
北海道や関東、九州に出向いて現地の意見も聴きます。12月半ばまでかかりますが厳しい意見を聞くことになりそうです。しっかり受け止めます。