東京23区での農業もつらい

2014年05月13日

 昨日は自民党の都市農業研究プロジェクトチームで、杉並区、世田谷区で農業をやられている方の畑を視察しました。
 両地域とも坪200万から250万円する地域です。そこで7反から8反を持ち各種の野菜を作っておられ、一方で、いわゆる市民農園もされていました。市街化区域の農地は貸借が出来ませんので、1年間8万円戴いて農業を指導する、という形を取っておられます。
 相続税が莫大ですので、「納税猶予制度」の認定を受けられていますが、その代償は終身その農地で農業をやるということです。途中で農業をやれなくなると、その時点で税が発生してきます。一方農地を「生産緑地」という都市の中の緑地に指定してもらうと農地としての固定資産税を支払うことになりますが、土地の値段が高いだけに馬鹿にならない金額だといいます。
 「俺が倒れたら息子がまだ高校生。どうするだろう。農業をやらないといえば土地を半分売って相続税対策をしなければならない、ということをいつも考えている」と悩みを話してくれました。また風が強い日の土ぼこりなどで近所からの苦情も出るといいます。
 もちろんアパート経営などをやられ副収入はありますが、都市の真ん中で農業を続けるというのも大変です。
 以前は、都市部の市街化区域の農地は出来るだけ宅地にするという方針で都市計画法が定められていましたが、最近の考え方として、都市のみどりを守ったり、災害時の貴重な避難地域として、都市の農地は残そうという考え方に変わってきています。
 そのための都市農業基本法を制定するのが私たちプロジェクトチームの狙いです。