日豪経済連携協定大筋合意
2014年04月08日
日本とオーストラリアのEPA(経済連携協定)が大筋で妥結しました。注目の牛肉のオーストラリアからの輸入関税については、今まで38・5パーセント掛けられていたものが、冷凍牛肉は18年かけて19・5パーセントに、冷蔵牛肉は15年かけて23・5パーセントになります。
オーストラリア産の冷凍牛肉はミンチにしてハンバーグなどの材料にしか使えない程度のものです。しかし、冷蔵牛肉は焼肉屋や牛丼屋などで使用されます。我が国でも乳牛のホルスタイン雄の場合は乳牛としては使えませんので、去勢して肥育をし、肉牛として出荷しています。主に北海道が中心です。この「ホル雄」がオーストラリア産の「冷蔵」とバッティングするのです。
このため、冷蔵は関税率を冷凍より4パーセント高くしました。そして日本に輸入されているそれぞれの量の年間平均値を輸入枠と定め、冷凍は19万5000トン、冷蔵は13万トンに設定しました。それ以上に輸入量が増えた場合は増えた分、元の38・5パーセントに戻すという「セーフガード」という制度を設けました。
初年度は冷凍を30・5、冷蔵を32・5パーセントに引き下げます。そして冷凍の輸入枠を1500トン、冷蔵も1500トン増やします。それ以上になれば38・5パーセントに逆戻りして、輸入を防ぐという仕組みです。ですから、引き下げられた関税で輸入されてくるオーストラリア産牛肉は毎年、冷凍、冷蔵合わせて3000トン増えるということになります。10年後には冷凍21万トン、冷蔵14万5000トンになり、10年目でもう一度協議をするということになりました。
しかし、衆参議院の農林水産委員会ではもともと「牛肉などの重要品目は除外もしくは再協議する」という決議をしています。関税引き下げという点でいえばこの決議に違反することになります。その審議が臨時的に来週でも行われそうです。私の仕事はこれから大変になります。