集団的自衛権
2014年04月03日
集団的自衛権を容認するかどうか、いよいよ党内で論議が始まります。集団的自衛権と対比される個別的自衛権は、我が国が直接攻撃を受けた場合の自衛権で、必要な武力の行使をすることが国連憲章51条で認められていますので、我が国もこれは行使することが出来る、という解釈です。
同じように51条で集団的自衛権も権利として明文化されています。これは他国が攻撃を受けた場合、第三国が共同して防衛を行う権利です。特にヨーロッパは同盟関係が複雑に入り組んでいますので、一国が攻撃を受けた場合、いかに集団でその国を助けるか、ということを念頭に権利として与えられたものであると考えられます。
しかし日本は、憲法9条で国際的紛争の解決策として武力行使を禁止する、と明記されていることから、集団的自衛権は「権利としては持っているけれど、実際これを行使することは憲法上の制約で出来ない」というのが戦後歴代内閣の考え方でした。
ですから、集団的自衛権を行使しようとするなら、その上に存在する憲法を改正しなければならない、という考え方で来たのです。それが憲法を中心に国を動かしていく「立憲主義」です。
しかし、安倍政権は、憲法改正をしなくてもこれだけ我が国を取り巻く情勢が緊迫している現状において、我が国に危険と思われるケースに限って行使することが出来る、というようにしようと今、学識者会議に諮っています。
問題は二つ。①憲法によって今までの内閣が守ってきた集団的自衛権の不行使を、いち内閣で変更するという大それたことが出来るのか②とはいえ中国、北朝鮮などこれだけ武力を増強しているのに、憲法の解釈を頑なに守って同盟国のアメリカが攻撃を受けた場合、武力で支援をしないということが許されるのか。それで我が国の防衛が守れるのか、という「手続き的問題」と「現実的な課題」をどう整理していくかです。
流れは我が国に危険性がある時、限定的な場合に限り集団的自衛権の行使を容認する、という方向に向かいつつあります。
これから、党内で派閥で、各勉強会でその論議がピークを迎えます。