TPPまとまらず

2014年02月27日

 シンガポールで行われていましたTPPの閣僚会議は、関税や国営企業など、どの分野でもまとまらず決裂しました。次期開催の日程も決まりませんでした。
 今回はこれでよかったと思います。まず、アメリカにまとめようという気持ちがありませんでした。11月の上・下院の中間選挙を控え、一歩でも譲れば選挙に影響を与えるという危機感から、最初から「アメリカの言い分を飲むなら合意」という高飛車な態度でした。これでは国際的な多国間交渉は成立しません。
 また、日米以外の各国にもそれぞれのお国事情があります。当初は日本が農産物の関税で譲歩しないからまとまらない、というアメリカの宣伝に各国は同調していたようですが、後半は「どうもそうではないらしい。アメリカが強引過ぎるようだ」という空気に変わって行ったといいます。
 今日TPP会合に同行した議員からの報告がありますが、良く粘ったと思います。
 かつてのワシントン軍縮会議、ロンドン軍縮会議で分かるように国際間の多国間条約はお互いの譲歩の精神が全てです。今回はあまりにもアメリカの暴走でした。
 問題はこれからです。東南アジアをはじめとする各国を日本が取り込んでいく地道な活動が必要です。