骨太の方針
2013年06月11日
国の大きな方向性を決める政策、これを今は「骨太方針」と読んでいます。その方針が出ました。しかし成長戦略として、規制緩和や財政再建による予算の切りつめなどが目立つため、自民党では異論も出ているようです。
これらの攻防が一番難しいものです。特に規制緩和は現在の産業や団体に新しい勢力が入り込んでくるということです。当然、既存と新興の間で軋轢が生じます。マスコミなどは、「既得権益を守ろうとするグループが規制緩和を阻んでいる」というニュアンスの表現をします。小泉総理時代はこれを「抵抗勢力」と呼んでいました。
新しいものが入り込んでくるのはいいことです。新しい発想も生まれます。しかしこれまでの産業や団体を「既得権益集団」と一刀のもとに切り捨てるのも危険です。
昨夜は保育園を経営している方々と懇談会をしました。保育のプロで、子供たちの育て方をよく知っておられます。ここに株式会社が経営第一主義で参入してくると、保育の質が低下するのでは、と思うのは、当然です。私もそう思います。
規制緩和は必要でしょうが、それが全ての分野に安易に及ぶと、失敗した場合、取り返しのつかないことにもなりまねません。ここは慎重に分析すべきではないでしょうか。
新しい勢力が入ってきて一時的に株価が上がりそれが成長と考えられても、永い目でみてその内容や質が劣化していくなら、日本としての良さが無くなって行くことになります。
どの分野に新しい息吹を吹き込むべきなのか、また逆にどの分野はわが国の良さとして守っていかなくてはならないのか、ここはしっかり考えていかなくてはなりません。