全てが経済成長でいいのか

2013年04月04日

 安倍政権の「アベノミクス」は好調です。株高、円安、給与の引き上げなどの動きを後押しし世の中の空気が変わりました。なんとなく前向きになります。
 しかしこんな時こそ「転ばぬ先の杖」あまり調子に乗ってはいけません。
 学生の就職活動時期を遅らせる、という政府の方針が出されました。学生に少しでも勉強してもらうためです。3年生になると就職活動なら、1,2年生のときはやっと大学になれた頃。勉強する時間がありません。就職活動を遅らせるのは当然と思いますが。これに経団連の会長が異を唱えました。「短期間で結婚相手を選べというのか」といわれました。経済界としては少しでも早く優秀な学生を囲みこみたいところでしょうが、ろくろく勉強もさせないで就職活動は、学生としての未完成のまま社会に送り出すことになります。やはり経済界のわがままです。
 農業もしかり。最近「農業を成長戦略産業に」と経済界が声高に主張しています。しかし成長産業にするということは、人件費、輸送費などの生産コストの削減が求められますが、農業、農村はそんなに合理化できるものではありません。
 そこに自然との戦いや農村集落の有り様など、様々な社会的なものが求められます。好調なときほど足元を、「脚下照顧」です。