国益とはなんだろう

2012年01月31日

 土曜と日曜日は久々の選挙区、月曜日は本来なら国会対策会議に出席しなくてはいけなかったところですが、処理しなくてはならない案件がいくつかあり、県庁に行ったりしていました。
  国会中継がテレビで流れており「あれ、坂本さんはここにいていいんですか」といわれる方もありましたが、これは参議院の本会議中継。参議院本会議が開かれると、通常国会冒頭の本会議ですので、大臣が全て参議院に出席することになりますので、衆議院は動きません。しかし同じような質問が繰り返されるわけで、私たちが活動している、「衆参統合、一院制を実現する議員連盟」の主張が一番いいと考えます。
 合間を縫って、TPPに関する資料や本を読み直しました。また、アメリカの経済産業省とも言うべき、通商代表部が日本のTPP参加に対して、アメリカの各業界、団体から意見を募っていまして、その結果が分かりましたので、翻訳されたその内容を入手し読みました。
 アメリカの各団体はほとんどが「日本の参加に賛成」です。その理由は「全ての製品、農産物、医療保険が日本に輸出することができ、日本の関税も撤廃することが出来る。景気が良くなるし雇用も改善される。アメリカにとって国益になる」というものです。日本の市場に対する期待は大きい。
 しかしアメリカの国益ということは、日本にとって損失が増える、ということも意味します。双方が国益の恩恵にあずかることはなかなか難しい。
 アメリカの農産物、医療制度、保険や預金、公共工事への入札などに、アメリカの資本がわが国になだれ込むということは、日本の既存の業界が大きな打撃を受けることになります。「損害多くして益少なし」でしか今のところありません。
 そこにいくとドイツはうまい。自分の国のものはしっかり守りながら、その技術力で輸出を大きく伸ばし、今、世界で実質的一人勝ち状態です。
 野田総理は「アジア・太平洋の成長を取り込む」といっていますが、そんなに甘くはない。人に喜ばれることをする政治を「ポピュリズム」といいますが。子ども手当や最低保障年金など、国内政策においてポピュリズムを振りまく民主党政権。国外に向けてもアメリカが喜ぶようなポピュリズム政策ばかりやっていると、結局人のいいわが国だけが衰退します。
 国益とは何かを考えよう。世界全てが幸せになることが基本ですが、やはり国家間競争が一番大切です。経済力で、軍事力で文化力、そして国民の強い意志力で戦っていかなくてはなりません。