野田総理の覚悟の程
2012年01月25日
昨日は第180通常国会の開会式。天皇陛下をお迎えしての式のあと本会議での野田総理が施政方針演説をしました。
消費税の引き上げに強い決意を示すために、野党への協議入りの呼びかけを再三にわたって述べました。かつて福田総理や麻生総理が当時の野党、今の民主党に「反対ばかりしていないで一緒に協議をしよう」と呼びかけた演説を引き合いに出して、自民党への賛同を呼びかけました。立場が変わればこうも変わるものかと驚きました。当時一番協議入りに反対していたのは、野田さんたちだったからです。
あのころは自民党が与野党協議を呼びかけても、当時の山岡国対委員長が審議を引き延ばすばかりでしたので、福田総理は解散の腹を固めました。しかし自分に、国民的人気がないことが分かっておられたので、幾分人気のある麻生総理に交代して直後に解散というシナリオでした。しかしにわかに起きたリーマンショックで解散時機を失し、ズルズルと麻生政権が続き結局任期切れギリギリで解散、自民党は野垂れ死にとなりました。歴史は繰り返すのでしょうか。
当時と今回と違う点が一点あります。それは民主党が「消費税は引き上げない」とマニフェストで約束して政権をとったということです。そのことを忘れたように自民党に、消費税引き上げを呼びかける。まさに厚顔何とかといわれても仕方ありません。
私が野田総理だったら、施政方針演説の中でマニフェストの甘さを反省し陳謝します。その上で日本財政の危機的状態を訴え、野党に協力を呼びかけます。まず自らの身をさらし反省をして、そして呼びかけなくては説得力はありません。「身を捨ててこそ、浮かぶ瀬もあれ」です。
そうすると今度は小沢グループが反発して、与党民主党が割れる。それでも消費税の引き上げに決意を示す、ということであればその覚悟が現れ説得力もあり、野党も協議に乗って来ます。私だったろ本物の決意があればそれほど思い切った演説をします。まだ覚悟の程が見えません。