バラマキ4K、農業が難しい

2011年08月10日

 「バラマキ4K」と言われている、農業の戸別所得補償、高速道路の無料化、高校授業料無償化、子ども手当。いずれもバラマキには違いありません。高速道路の無料化と子ども手当は民主党が甘い見通しで行った、と陳謝して廃止しました。高校授業料は1万円を補助するものです。単純なバラマキで、廃止すべきですがいったんタダになったものを廃止するのは難しい。
 中でも難しいのは農業の戸別所得補償です。これも農作目ごとに交付金を出すのですからバラマキに変わりはありません。しかし米約13700円。飼料米や米粉用米を作れば8万円。二毛作にすれば更に10アール当たり1万5千円。米などを作る農家と畜産農家が連携すれば更に1万3千円、畑作物にも補助金など、巧みに設計されていますので、これを一気に廃止していくと農家の反発が予想されます。今その見直し作業にかかっていますが、どこをどう直していくか難しいところです。
 私たちが考える農業の基本は、担い手と言われる専業者を中心に農業の構造的な改革をしていくことです。しかし日本の農業は一方で兼業農家などからなる集落単位で運営されています。専業だけぽつんと集落で農業を営むことは難しい。農業用水路の整備や田んぼのあぜ草刈、神社の掃除、入会地の整備など集落の共同作業です。
 産業としての農業と社会政策としての農業をどうバランスを取っていくか。一方にだけ比重が移ると日本の形が崩れる、または生活が出来ない、という問題になります。しかも限られた予算で実行しなくてはなりません。後数日のうちにまとめなくてはなりません。今その作業に追われています。