力強い日本農業へ
2011年07月29日
日本農業の今後のあり方についてはこれまで何度も論じられてきました。その都度、政策が変わり猫の目農政とも言われました。政権が交代して民主党農政になって2年。民主党は戸別所得補償制度を実行しています。昨年のコメ農家の収入を見ると所得は上がっています。そのはずです。コメ60キロ当たり1万3700円ほどの価格を保障して、食用のコメ以外に飼料用米や米粉用米、飼料稲などを作付けすると一反当たり8万円、更に麦などを植えて二毛作にすると反当り1万5千円が給付されます。至れり尽くせりです。これで所得が上がらなかったらおかしい。
農家ではこの制度が長続きはしない、と分かっていながら所得は上がりますので評判はこの一年では悪くありません。
しかし、この財源は農業の土地改良から予算を削減していますし、畑作関係からも予算を持ってきています。つまり農業全体を見るのではなく、取りあえず所得が上がればいいというバラマキにしか過ぎません。あと一・二年は持つかもしれませんが、いずれ破綻しますし、中核農家は育ちません。日本農業にとって麻薬のような悪い制度、と思っています。
そこで「強い日本農業への道筋を考えるプロジェクトチーム」が自民党に作られ、昨日、初会合がありました。既に自民党は、「農業の多面的機能補償法」「担い手総合支援法」という柱となる二つの法律を提出しています。農業が果たしている幅広い役割を、金銭に換算して支払うのと同時に、地域の担い手を育て世代交代を図るための支援策と年金対策などを充実させるという方向です。
これから本格的にいつ政権が交代してもいいような、猫の目農政といわれないような、農業政策を作り上げます。