身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ

2011年04月30日

 昨日の衆議院予算委員会。政界の水戸黄門こと、民主党の渡辺恒三代議士の質問に、何人かからの意見がありました。全てが「その通り。やはりベテランの味」「本当に自らを捨てて、国を立て直そうという思いがこもっている」「現場を一番知っている人の説得力ある言葉だ。感動して涙が出た」というものでした。
 内容は菅総理に対してのものです。菅総理が谷垣総裁に対して電話で入閣を要請したことに対して、「余りにも未熟だ。本当に国のことを思うなら、自ら出向いていって土下座してでも総理になってくれというべきだ。それなら谷垣さんも断れないはずだ」という趣旨のものでした。
 私はその場面は聞いていませんでしたので、後でそのようなメールをもらって、「なるほど」と感じました。
 もしそんな場面になっていたら、谷垣さんも本当に断れなかったでしょう。そこに渡辺代議士や亀井代議士などが手助けをしたとなると、なおさら断れなかったでしょう。
 そして1年間の期間限定で「谷垣内閣が誕生する。1年間子供手当てなども凍結」。1年が終わると再び菅総理になり、通常の政権になって菅さんが衆議院を解散する、となると、これは自民党にとっては、余り良くないシナリオになるところでした。しかし、日本のためにはベストに近いシナリオだったでしょう。やはりダテに政界に長くおられるわけではない、と感心しました。
 ただ後で、菅さんの近くにいる民主党幹部が自民党議員に漏らしたそうです。「それをしないのが菅さん。それをやる気概があれば、事態はもっと以前に前に進んでいる」っと言うことでした。
 「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」「国家のための犠牲的精神」こんな言葉は菅総理には、頭の隅にもないようです。人を常に信じない、疑心暗鬼の中で政治生活を送った人の限界でしょうか。