新党結成当時と似てきた

2009年06月26日

 宮崎の東国原知事や橋下大阪府知事の中央の政治や政党に対する注文、動きが活発になってきました。何かが起きそうな気配です。知事をやっているとその都道府県で自分が選挙で選ばれたただ一人の人物なのに、何故こんなに国のコントロールに従わなくてはならないのか、また県庁職員は全て従順に仕事をするのに、霞ヶ関の選挙もしない役人になぜここまで動きを制限されるのか、という気持ちになるのも分かります。そこで地方分権、霞が関改革、自民党改革ということになってきます。

 16年ほど前の日本新党に端を発した政界再編を思い出します。あの時も細川知事が「バス停一つ動かすのに運輸省の許可が要る」と言って、この中央集権体制を何とかしよう、とパイロット自治体構想(どんな構想だったか忘れましたが)等を出して、中央政界に進出しました。日本新党という新党を結成して参議院、衆議院を戦い、40議席ほどを獲得して政界のキャスティングボートを握り、あれよあれよと言う間に総理になられました。私たちも「さきがけ」という政党で参加しました。そのほか続々と新党が出てきて自民党が下野しました。

 状況はあの時と変わりません。官僚支配を脱したい。本当の自治や政策をやりたい。しかし今の自民党は官僚まる投げなので天下りも含めて改革が出来ない。かと言って民主党で国の運営が出来るのか、不安で仕方がない。だから我々が自ら政界に物申すし、場合によっては出馬する、そして日本を変えるーそんな気持ちに今二人の知事たちはなっておられるのだろうと思います。以前と違うのは今回は細川さんだけでなくかなりの知事市町村長が賛同しておられること。また自民党一党支配でなく民主党という大きな対抗勢力がいて、どちらについてもいいこと。ただしどちらについたとしても、両政党に切り捨てなくてはならない勢力がいること、などです。

 この動きがどう発展するのか、どのような方向に行くのか、暫く様子を見ます。実際に政治を根本的に改革するというのは、戦時や革命時でないなら相当な準備と戦術が要ることです。そして官僚政治は寄って成り立つ所があるから生き残っています。今の官僚政治を完全になくすのならそれに変わる政策立案の集団をつくらなくてはなりません。政治家が選挙と両立でやれるほど政策や法律の立案というのは生易しくありません。

 自民党は変えていきます。国民や地方の声が届くようにしていきます。しかし、その仕組みは今の仕組みの上にたってどこをどう変えるか、綿密に考えられたものでなくてはなりません。耳当たりの良い言葉先行の改善策では現実の前に吹き飛んでしまします。