大詰めの臓器移植法

2009年06月09日

 今日の国会本会議は臓器移植法案についての各法案提出者の説明でした。先にも書きましたように臓器移植については、日本では事実上難しく皆さんアメリカや外国に渡って移植手術を受けられています。しかし、世界の移植学会がトルコのイスタンブールにおいて今後外国での移植手術は臓器の売買や自国の患者の犠牲を強いることになるので禁止するという宣言が出され、WHOもこれを承認しました。

 そこで、現在の臓器移植法では臓器の移植が進まないという事で、緊急を要する問題になってきています。A、B、C、Dの4案が提出されています。A案がもっとも臓器移植に道を開くもので、脳死を移植法に限って「死」と認めるものです。C案が「脳死」に対しては最も厳しく、もっと厳格に国民の合意を得て「死」というものを考えるべきだ、というものです。

 本日はそれぞれの提案者から中間報告ということで説明がありました。A案の提出者中山太郎先生(自民)の発言は重たいものでした。またC案の提出者阿部知子先生の意見も考えさせられるものでした。B案の石井啓一先生(公明)、D案の根元匠先生(自民)も説得力がありました。特に中山先生も阿部先生も医学博士ですので思慮深さが伺えます。いつもはざわつき、野党の説明に対しては野次も飛ぶんですが、今回は党で縛ることはなくそれぞれの国会議員が自分で判断して、最終的には賛否を決めるというものですので、本会議場も野次一つなく、静まり返って4人の説明と意見を聞いていました。久々に国会審議らしい真剣さでした。

 週明けにも、どの案にするかの採決が行われます。4案ですので採決の仕方も複雑です。私はこれまでA案を支持してきましたので、A案賛成で行きます。