5人の候補者の政策
2008年09月11日
自民党総裁選挙には5人が立候補しました。それぞれが自らの政策を掲げての争いです。新聞で政策を見ましたがやはりテレビでキャスターが突っ込んでそれに答えるというのが一番わかりやすい。キャスターも勉強不足の面もありますが、やはり明快に自信を持って答える姿に共感を覚えます。しかし、明快ではあるけれど数字的に整合性のない答えもあり、候補者の政策に関する緻密さが分かります。
政策的に一番安心できるのはやはり政策通の与謝野馨さんのようです。数字的にも常に妥当な線で話されます。今の財政状況の中で実現可能なことと不可能なことがしっかりと頭の中に入っておられる。しかし、それで国民が納得するかというとそうではないところもあります。やはり夢や思い切りが欲しい。
そこに行くと小池百合子さんは明快ではあり、上げ潮路線を意識しての思い切った発言が多いのですが数字的にどうなのかなあ、と思うケースが見られます。「ガソリンの特定財源を一般財源化して、道路以外にどれだけ回せるか」と聞かれて2兆円か3兆円、と答えられました。暫定税率の特定財源は5兆円強。今、道路をつくっているのに、果たして地方の道路を中心に半分以上を削減することが出来るのか、疑問です。
麻生、石原、石破の三氏もそれぞれの特徴を出しておられると思いました。それぞれに好感度が持てます。大切なことは政治・行政に対する厳しい視線です。今の官僚体質にいかに切り込むことが出来るか、どれだけ丁々発止の戦いを役人とすることが出来るか、それには内情と政策に詳しくなくてはいけないし、一方で自らの改革意識をはっきりと表現し、説明できる人でなくてはなりません。難しい命題ですが総裁選挙の中でそのことを強く意識していただきたい、そう感じました。
最近有権者の質問も高度になってきました。「坂本さん、民主党は経済対策、社会保障費などで16兆円といっている。財源は節約と埋蔵金を探せば出てくる、と言っている。埋蔵金も含めて財源はどのくらいまでなら可能な」そんな質問が飛び出します。これも難しい。官僚の言うことだけを信じれば1兆円も出てこないでしょう。小沢さんのような言い方をすれば二桁の財源が出てくるでしょう。実際はどうなのか。私にも良く分かりませんが、二桁の兆という財源なんていうのはまずありません。有権者の方もうわべだけの言葉でなくしっかりとした裏づけに基づく政策を求められているようです。