経済派と族派
2008年06月19日
昨日は、自民党の政調会があり、谷垣政務調査会長が来年度に向けた基本方針素案を発表しました。これは総理の諮問機関である「経済財政諮問会議」とある程度、平仄(ひょうそく)を合わせているもので、来年度、日本をどのように運営していくかという「骨太の方針」に盛り込むための柱となるものです。
経済財政諮問会議は、かつて竹中平蔵氏が中心となっていたもので、企業の会長らが中心メンバーです。このため、そこできめられる柱は、民間的発想を取り入れ、合理的機能的な政策が多い。例えば、農業は企業の参入を訴えているし、すでにプサンやシンガポールに物流の拠点が移った「港湾」などはあきらめ気味で、これから日本が守らなくてはならない「空港」などに力点が置かれるといった具合です。
昨日の政調会の中身は政府の方針でなく、自民党の方針ですが、それでも経済財政諮問会議の意向とあまり変わらないものでした。
これに対して、一斉に反発の声が上がり、意見開陳は2時間続きました。「港湾事業を削ったのはけしからん。海洋貿易海洋国家が日本の基本ではないか」「低炭素社会の実現を言いながら、二酸化炭素の吸収源である森林整備についての記述がない」「医療や介護、年金崩壊状態であることをきちんと認めよ」などなどです。
まさにこちらは族議員の発言です。各省の役人たちが族のボスに「この記述が足りません。強く訴えてください」とお願いしているのだと思います。
どっちもどっちで、これじゃ収拾がつきませんが、私の見る限り、やはり余りにも市場主義、予算の効率執行を考える余りに都市部中心になっている気がします。これは国家の永遠のテーマでしょうが、今の時期やはり市場主義より現場優先主義で、皆さんの意見を聞く時ではないでしょうか。