社会保障費は限界

2008年05月27日

 今朝は、自民党の厚生労働部会・社会保障制度調査会に出席しました。来年度の予算をどうするかという話です。年金、医療、介護は高齢化の増加とともにその必要経費が上昇する一方です。しかし、予算は年間2200億円の削減が義務づけられています。
 医療の現場から悲鳴が上がり、介護士さんたちの報酬の低さが指摘され、年金については、基礎年金の部分を来年度から今の3分の1国負担を2分の1に増やさなくてはなりません。これらの予算をどうするのか本当に頭の痛い問題です。
 意見は二つに分かれました。国の予算で言うなら「財政再建派」と「成長路線派」と同じ対立図式です。「年金、介護、医療は今の予算では限界である。2200億円の削減は撤廃してもらはなくては到底やっていけない。無駄をなくせということが言われているが、それは精一杯やって100億円規模だ。足りない金額は兆円規模である。単位が違う」と言う意見。かたや「今単純に2200億円の削減原則を撤廃すれば国民の理解は得られない。国民は官僚の天下りや特別会計の無駄に怒っている。仮に予算が増えても、それは天下り先にしかいかないんでしょう、としか思われない。撤廃するなら撤廃するでもっとしっかりした理屈が必要だ」と言う意見です。
 まるで自民党と民主党の対決がそのまま持ち込まれた感じです。しかし、このような議論を徹底的に行うところに自民党のよさがあると思います。
 最後に、厚生行政にも税制にも詳しい津島雄二先生がマイクを取られ、「2200億円の削減を形の上ではしてきたが、そのことで無理な法律を作って結局国民の皆さんの批判を浴びて、7000億円ほどの補正予算をあたふたとやる、ということをしてきた。見栄えだけは財政再建路線だが、実際は泥縄で修正した事が、必要以上の出費につながっている。もっと実のある論議を行い、選挙を恐れないで将来図をしっかり国民の皆さんに提示することが大切だ」と締めくくられました。
 さすがに説得力があります。やはり目先だけの人気とりでなく、本当の将来設計をつくりそれを示すこと、これが今自民党がやらなくてはいけないこと、と感じた次第です。