死刑と無期のギャップを考える
2008年05月16日
昨日は先に書きました死刑と無期刑の差があまりにもありすぎるので、無期刑について論議し新たな議員立法を作ろうという「量刑制度を考える超党派の会」に出席しました。
来年五月から裁判員制度がスタートします。住民票から無作為に抽出されたずぶの素人が裁判員として、人を裁くことになります。大変責任の重いことです。その中で死刑は極刑そしてその次は無期懲役ですが、無期は最低10年すれば仮釈放が可能です。このためあまりにも死刑との間に差があり過ぎる、素人が判断するのに混乱を与えるとして、無期刑を終身刑にするなど考え直そう、というのが狙いです。
論議をしてみると難しいことが一杯ありました。まず無期を懲役とするか禁錮とするか。懲役は労役を課せられ、禁錮は牢屋に入ったまま。禁錮となればある意味では死刑より残虐ですので、これは懲役で落ち着きそうです。
さらに死刑には恩赦があります。当然終身刑にも恩赦を伴うことになります。全く認めないとこれも残酷極まりないものになります。そうすると終身刑といっても一定の要件を満たせば仮釈放の余地を残すことになります。ではその仮釈放される最短年数を何年にするか、少なくとも10年では短すぎるということから出発していますので、20年か30年か40年かなどの論議になります。
しかし仮釈放を認めればその一定の要件とはどんなものか、という問題が出てきます。しかも法律は死刑に関する法律だけでの40ほどあるそうです。それに終身刑という刑を加えるなら関連法律だけでも大変な改正が必要になってきます。しかも刑法の改正というのは民法より重くて難しい。憲法改正の次に来るくらいの重要性を持っています。これらを一年弱でやり遂げなくてはならない。改めて大変な作業だなあ、と驚きました。
次回から学者らを招いて猛烈に勉強会を開く、ということになりました。最初40人ほどいた国会議員も、会が終わる頃は十数人に減っていました。周りを見るとそのほとんどが弁護士の国会議員ばかりでした。やはり専門的知識が必要なようです。